Go to contents

ロシア、ウクライナに極超音速ミサイル「キンジャル」初めて発射

ロシア、ウクライナに極超音速ミサイル「キンジャル」初めて発射

Posted March. 21, 2022 08:23,   

Updated March. 21, 2022 08:23

한국어

ロシアが18日(現地時間)、核弾頭を搭載できる極超音速ミサイル「キンジャル」を使ってウクライナの軍事施設を破壊した。先月24日にウクライナを侵攻したロシアが、米国のミサイル防衛網を無力化する極超音速ミサイルを実戦に投入したのは初めて。ウクライナを支援する米国など西側を狙って核の脅威を強調する狙いがあるとみえる。

ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は19日、キンジャルを使って18日にウクライナ南西部のイワノフランキフスク州にある、ウクライナ軍のミサイルと航空機用の弾薬が保管された大規模な地下施設を破壊したと明らかにした。

ロシアが戦術ミサイル「イスカンデル」を改良して2018年に開発したキンジャルは、ミグ戦闘機や爆撃機で発射される。射程距離は2千~3千キロ、飛行速度はマッハ10~12に達し、米国の防空網では迎撃が不可能だという。核弾頭と通常弾頭のいずれも搭載でき、ロシアのプーチン大統領も「スーパー兵器」と評価した。

特に、ロシアはウクライナ侵攻5日前の先月19日、プーチン氏の指示で行われた戦略核演習でこのミサイルの発射実験を行った。バイデン米政権当局者はCNNに、「ミサイルの能力を実験し、西側にメッセージを送る狙いがある」と述べた。

ロシア軍は、戦略的要衝地であるウクライナ南東部マリウポリの中心街でウクライナ軍と激しい市街戦を行うなど、南部制圧にスピードを出している。双方は欧州の主要鉄鋼工場であるアゾフスタル工場を占拠するために激しい戦闘を繰り広げた。マリウポリのボイチェンコ市長はBBCに、「わが軍隊はできる全てのことをしているが、ロシア軍の規模がわれわれを上回っている」と吐露した。

ロシアがマリウポリを制圧すれば、ロシアが2014年に併合したウクライナ南部のクリミア半島と親ロ勢力が多い東部トンバスをつなぐ陸路と安定した補給路を確保することができる。侵攻後、ロシア軍の慢性的な問題と指摘されてきた補給路が解決すれば、首都キエフに対するロシア軍の攻勢が強まるものと予想される。米紙ニューヨーク・タイムズは、ロシア軍がキエフを掌握しようとすれば、第2次世界大戦後80年ぶりの最大規模の市街戦になると報じた。


ワシントン=ムン・ビョンギ特派員 weappon@donga.com