Go to contents

沸き立つ再建築、いますぐ住宅価格を抑えなければまた「苦痛の5年間」になる

沸き立つ再建築、いますぐ住宅価格を抑えなければまた「苦痛の5年間」になる

Posted April. 13, 2022 08:26,   

Updated April. 13, 2022 08:26

한국어

首都圏の再建築マンションに対する買い注文が回復し、住宅価格が高騰している。住宅市場の分析機関によると、今月4日基準でソウルのマンション価格は11週連続の下落を止め、横ばいに転じた。教育需要の多い江南(カンナム)3区と大統領執務室が移転する龍山区(ヨンサング)の価格の上昇幅が大きかった。「取引の崖」の状態だった盆唐(ブンダン)や一山(イルサン)など、第1期新都市のマンション価格も上昇している。金利引き上げと国内外の景気不安で伸び悩んでいた住宅価格が、再び不安な兆しを見せている。

このように、ソウルと新都市の再建築マンションの価格が上昇したのは、新政権に入って不動産規制が大幅に緩和され、事業に弾みがつくだろうという期待が高まっているからだ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領は、大統領選挙期間中に、供給拡大だけでなく、再建築超過利益還収制の緩和や分譲価格上限制の見直し、融資限度の引き上げなど、住宅需要を刺激するだけの規制緩和公約を打ち出した。大統領選挙直後の約3週間、ソウルで取引された149件の住宅のうち30%が最高値で売買されたのは、政策基調の変化で住宅価格がさらに上がるだろうという心理が早くから広がっていたことを意味する。

供給を見過ごした規制一辺倒の住宅政策のため、住宅価格が高騰したのは事実だ。だからといって、公約に縛られて規制を急いで緩和するのは、不動産市場に誤ったシグナルを与えかねない。大統領職引継ぎ委員会は先月末、多住宅者の譲渡所得税の重課を1年間排除する措置を発表したが、政府がこれを拒否し、混乱はさらに大きくなった。引継ぎ委としては、譲渡税を緩和すれば売り物が出ると期待したが、減税措置を「耐えればいい」というシグナルと見る多住宅者も少なくないのが現実だ。冷水と温湯を急いで行き来する近視眼的な不動産政策は、実需要者の被害を増大させるばかりだ。

民間主導で住宅供給を地道に増やすことが重要だとしても、すべてを一気に覆す速度戦では、副作用に耐え難い。同時多発的な再建築で、周辺の住宅価格が高騰しかねないだけに、団地別に事業に時差を置く一方、住宅価格の談合など、市場の撹乱行為を取り締まる慎重なアプローチが必要だ。グローバル金利の引き上げとインフレが重なった「パーフェクトストーム」の危機的局面で、不動産政策は一つ触っただけで経済全体に連続的に影響を与える。供給と需要、物価と景気を総合的に考慮した戦略なしでは、韓国経済は住宅価格に足を引っ張られ、再び「苦痛の5年間」を送ることになるだろう。