尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領が日本に派遣した「政策協議代表団」が26日、岸田文雄首相を会見し、1998年に当時の金大中(キム・デジュン)大統領と小渕恵三首相が合意した「韓日共同宣言」を継承・発展させることを目指す内容が盛り込まれた尹氏の親書を伝えた。岸田氏もこれに共感したと、代表団長の鄭鎮碩(チョン・ジンソク)国会副議長が明らかにした。しかし、岸田氏は代表団に韓国大法院(最高裁)の元徴用工賠償判決による日本企業の韓国内の資産の差し押さえと現金化は受け入れられないとする立場を繰り返し、この問題から解決してこそ韓日関係の改善が可能だという考えを明らかにしたという。
鄭氏は同日午前、東京の首相官邸で25分間岸田氏を会見した後、記者団に「新しいスタートラインに立った韓日両国が、未来志向的な関係の発展と共同の利益に向けて努力しなければならないということで意見が一致した」と明らかにした。金大中・小渕両首脳の「韓日共同宣言」は、日本の植民支配に対する謝罪と未来志向の韓日関係に関する内容が盛り込まれている。外務省によると、岸田氏は、「日韓、日米韓の戦略的連携がこれほど必要な時はない。日韓関係の改善は待ったなしだ」と強調した。
両国の最大懸案である元徴用工や日本軍慰安婦などの問題に対して鄭氏は、「強制徴用企業の資産現金化問題について、日本が持っている厳しい認識を共有していると伝えた」とし、「すべての当事者が受け入れ可能な解決策を見出すために外交努力を続けていくと述べた」と説明した。
岸田氏はメディアに公開された冒頭発言で、「旧朝鮮半島出身労働者問題をはじめとする日韓間の懸案の解決が必要だ」との考えを明らかにした。外交筋は、「岸田首相が韓日関係の改善に向けて(強制徴用企業の)資産現金化問題(を阻止する解決策)が重要であることを認識するよう望むと話した」と伝えた。
来月10日の大統領就任式に岸田氏が出席するのかどうかについて、鄭氏は「首脳の就任式の出席は慣例により日本が決める問題だ」としつつも、「日本が出席の意思を示せば、誠意を尽くして迎える準備はできている」と述べた。
東京=イ・サンフン特派員 sanghun@donga.com