Go to contents

「台湾の1人当たりGDPが韓国を追い越すだろう」、企業の足かせを解消しなければならない理由

「台湾の1人当たりGDPが韓国を追い越すだろう」、企業の足かせを解消しなければならない理由

Posted May. 07, 2022 09:08,   

Updated May. 07, 2022 09:08

한국어

台湾の蔡英文総統が最近、党中央商務委員会会議で「2003年以降19年ぶりに1人当たりの国内総生産(GDP)が韓国を追い越すだろう」と述べた。蔡総統は、「政府が経済構造を改善した成果のおかげだ」とし、「台湾はグローバルサプライチェーンの再編の機会をよく生かして、11年ぶりに最も良い成長率を記録した」と自賛した。これ先立って、国際通貨基金(IMF)は今年の台湾の1人当りのGDPは3万6051ドルで、3万4994ドルに止まった韓国に逆転するものと展望した。

台湾逆転の主役は企業だった。看板企業のTSMCが、世界半導体市場の70%を占める非メモリー半導体ファウンドリ(受託生産)市場で、過半数の市場シェアで国家経済を牽引した。TSMCの企業価値は、すでに2019年11月から三星(サムスン)電子を追い越している。台湾にはTSMCの他にも、UMCメディアテックなど屈指の半導体企業と装置・素材企業が数多くある。半導体は、昨年、台湾輸出額の37%、GDPの17%を占めた。

台湾は一時、中国の下請け工場という声まで聞いた。中国に製造業の競争力を奪われたうえ、親中政権が政権を獲得し、企業が大量に中国に流出した。台湾を興したのは2016年に政権の座につき、「民間企業こそ雇用創出の主人公だ」として、企業を再び走らせた蔡総統だった。金融、税制、用水、電力、人材を包括した支援策で、海外に出た企業を呼び入れた。国家戦略産業である半導体の超格差を維持するため、大学に半導体専攻の新入生を1年に2度選考し、休み期間を調整して年中無休で半導体人材を育成させた。昨年5月、大干ばつの時は、農民たちを説得して田んぼにつける水を半導体工場に回した。

韓国企業は、基本的な人手不足すら解決できずにいる。今年1月、いわゆる「半導体特別法」が可決されたが、企業の念願である首都圏大学半導体学科の定員拡大などの中身は抜けた。新しい人材供給が不可能ならば、週52時間制でも緩和してほしいと言ったが、これも反映されなかった。投資税額控除の恩恵も縮小された。口先だけの特別法だった。

様々な規制に縛られた未来産業も同じだ。オンラインプラットフォームとバイオ・ヘルス、フィンテックなど韓国3大新産業の国内代表6社の時価総額が、中国テンセントの3分の1未満という集計も出てきた。日増しに低下している韓国の潜在成長率を引き上げ、雇用を増やす方法は台湾がすでに示している。果敢な規制緩和と先端産業人材の養成で企業を走らせることだ。新たに発足する次期政府の政策大転換を期待する。