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過去最低競争率の6・1地方選挙、このままでいいのか

過去最低競争率の6・1地方選挙、このままでいいのか

Posted May. 17, 2022 08:53,   

Updated May. 17, 2022 08:53

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6月1日の地方選挙の平均競争率が1.8倍で歴代最低を記録した。これまで最も低かった2014年の2.3倍を塗りかえたのだ。単独出馬などの理由で当選が自動的に確定した無投票当選者は494人と集計された。この20年間で最も多い数だ。4年前に比べて5倍も増加した。

 

地方選挙の競争率は下がり無投票当選事例は急増する傾向は、懸念される現象だ。今年で8回目を迎える地方選挙の意味が色あせていることを実証的に示すためだ。実際に、選ぶ人員が多い広域議員の競争率は2倍、基礎議員は1.7倍にすぎない。無投票当選の場合、公約の検証、資質検証の機会もなく、有権者の投票権が剥奪される問題が発生する。

 

二大政党、特定地域の偏向現象も現れている。例えば、地方自治体長の無投票当選者は6人だが、光州(クァンジュ)・全羅南道(チョンラナムド)の野党「共に民主党」候補の3人と大邱(テグ)・慶尚北道(キョンサンプクト)の与党「国民の力」候補の3人だ。広域議員や基礎議員の無投票当選者も特定政党が強い全羅道と慶尚道に集中した。これは、地域政治の歪みにつながるほかない。無投票当選という程ではないものの、公認を受ければ当選する可能性が高くなるため、立候補者が中央党の実力者や地域の国会議員にコネをつくって党員募集だけに熱を上げざるを得ない構造だ。

 

その結果、新米政治家の参加が難しくなる。地方自治に関心があっても、当選の可能性が低いため出馬に意欲を出せない人も多い。草の根民主主義が根をおろすことができず、地方選挙の競争率が下がる大きな理由だ。一方、国会議員や党協委員長は、自身の選挙を助け、役に立つ人々を公認するのに忙しい。「欠格」候補を取り除くことには関心がない。今回の地方選挙の無投票当選者のうち、前科者は全体の3割にのぼるという。

地方選挙が事実上、3月9日の大統領選の延長戦となり、二大政党中心の競争が繰り返されているのが現実だ。大政党に所属しない若い政治家が入り込む隙はない。地方選挙がこのような形で固定化されては困る。公認改革と共に、今回の基礎議員選挙区30ヵ所で試験的に実施される重大選挙制拡大など地方選挙の改善案に関心を傾ける時だ。