李鐘燮(イ・ジョンソプ)国防部長官(写真)は17日、「新型コロナウイルスの感染拡大で北朝鮮が核実験を延期するのか、関係なく実施するのか予測が容易でない」と述べた。李氏は同日、国会国防委員会全体会議で、「(北朝鮮の7回目の核実験が)大枠で多くの部分の準備ができている」とし、このように話した。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が「大動乱」と述べ、新型コロナウイルスの感染拡大に大きな危機感を示したが、核実験の強行という政治的決断の可能性は排除できないということだ。李氏は、「北朝鮮軍は(新型コロナウイルス感染拡大の)統制が民間よりうまくいっており、一般住民よりも深刻でないと確認している」と伝えた。
また、「北朝鮮が核実験をしても人道支援をするのか」という与党「国民の力」の河泰慶(ハ・テギョン)議員の質問に、「ジュネーブ協定で『敵軍』であっても治療はできるという点では可能と考える」と答え、一部の野党議員が、文在寅(ムン・ジェイン)政権の時に「国民の力」の大統領候補だった尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏が北朝鮮に対する人道支援を「ばらまき」と批判したことに触れ、新政府の立場について説明を求めると、「政府の方針と決定されたわけではない」と一歩後退した。
北朝鮮当局は、新型コロナウイルスの感染拡大の防止に総力を挙げている。労働新聞は17日、朝鮮人民軍の軍医部門と国防省幹部が参加した決起集会で、平壌(ピョンヤン)に軍医らを投入するよう党中央委員会の特別命令が下されたと報じた。同紙は、平壌市民に伝えられる薬品を偉大な人民愛が凝縮された「愛の不死の薬」と表現した。
韓国の防疫当局は、北朝鮮の新型コロナウイルスの感染による死者が実際より少なく推算されたと見ている。北朝鮮は、16日午後6時現在の累計発熱者は約148万3600人、死者は56人だと明らかにした。致死率が0.004%で、ワクチン接種が実施された韓国(0.13%)よりも低い。漢陽大学医学部のシン・ヨンジョン教授は、「北朝鮮が新型コロナウイルス関連の死者を十分に集計できない状況のようだ」と指摘した。
17日、中国内の北朝鮮情勢に詳しい消息筋によると、北朝鮮の国営航空会社である高麗航空の航空機3機が16日午前に中国遼寧省の瀋陽空港に到着し、同日午後、医薬品を積んで北朝鮮に戻ったという。
ユン・サンホ軍事専門記者 イ・ジウン記者 ysh1005@donga.com · easy@donga.com