採血しなくても乳幼児患者の診断を支援する「スマートおしゃぶり」の試作品が開発された。研究チームの10人のうち9人が韓国人だ。乳幼児の病気や体調を調べるのに必要な様々な数値を、リアルタイムで確認できるスマートおしゃぶりの商用化の道が開かれたという評価だ。
米ワシントン州立大学ジョージア工科大学ウィチタ州立大学と、韓国の釜慶(プギョン)大学と延世(延世)大学所属の研究員10人で構成された研究チームは、16日、学術誌「バイオセンサス・アンド・バイオエレクトロニクス」に掲載した研究論文で、スマートおしゃぶりで測定した乳幼児患者の電解質やカリウム、ナトリウム数値が、採血分析を通じた数値と似た精度を示したと明らかにした。これらの数値は、未熟児の脱水程度を把握できる指標だ。
研究チームは、小さなセンサーを付着した一般のおしゃぶりを子供が噛むと、センサーが唾液からデータを抽出するようにした。データは、ブルートゥースでスマートフォンのような機器に転送され、医療スタッフがすぐに確認できる。
責任著者として参加したワシントン州立大学のキム・ジョンフン助教授は、「新生児集中治療室の幼児にたくさんついている心拍数や呼吸率、体温・血圧測定用線をなくしたかった」とし、「臨床研究対象を拡大し、体温やブドウ糖濃度、他の電解質などを測定できるセンシング素子を追加する計画だ」と明らかにした。
任寶美 bom@donga.com