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バイデン氏「プーチン氏の追放を模索しない」、ウクライナに高性能ロケットシステム提供へ

バイデン氏「プーチン氏の追放を模索しない」、ウクライナに高性能ロケットシステム提供へ

Posted June. 02, 2022 08:22,   

Updated June. 02, 2022 08:22

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バイデン米大統領が先月31日、「ウクライナに精密攻撃が可能な高性能ロケットシステムを提供する」と明らかにした。これにより、ウクライナ軍は最大77キロまで飛ばせるミサイルシステムを確保するなど、空軍力で優位を見せるロシア軍に対抗する武器を確保することになる。ただし、バイデン氏はウクライナに対する支援とは別に、ロシアのプーチン大統領の追放や北大西洋条約機構(NATO)とロシアの戦争を望まないと明らかにした。

バイデン氏が提供すると発言したロケットシステムは、「高機動ロケット砲システム(HIMARS、ハイマース)」。射程距離は77キロで、標的を精密に攻撃できる。バイデン氏は、「ウクライナに対戦車ミサイル『ジャベリン』、対空ミサイル『スティンガー』、野砲、精密ロケット、レーダー、無人機、ヘリコプター、弾薬なども引き続き提供する」と強調した。英紙ガーディアンは、今回の支援がロシア軍の砲撃に苦しんでいたウクライナ軍にとって「ゲームチェンジャー」になると評価した。ロシア軍は、ウクライナ東部のドンバス・ルハンスク州の要衝セベロドネツクの8割を掌握したとされる。

バイデン氏は同日、米紙ニューヨーク・タイムズに、「ウクライナで米国がすることとしないこと」と題する寄稿文を掲載し、プーチン氏の追放、ウクライナが国境を越えてロシアを攻撃することなどを奨励したり、許可したりしないと明らかにした。プーチン政権の交代を取り上げた過去の強硬発言に比べてトーンが下がった。

バイデン氏は、「最終的にこの戦争は外交によって終わるだろう」とし、「プーチン氏に同意せず、行動には憤るが、米国はモスクワからプーチン氏を追放しようとはしない」と述べた。米国や同盟国が攻撃されない限り、ウクライナに米軍を派遣したりロシア軍を攻撃したりするなどの、この戦争に直接介入しないという従来の立場も固守した。ロシア軍が、ウクライナから退けば、制裁を撤回できることを示唆したものとみられる。ただし、ウクライナのゼレンスキー大統領は、「私たちのすべての領土を奪還する」とし、ロシアが2014年に併合した南部クリミア半島を取り戻せば戦争は終わると、バイデン氏とは異なる考えを示した。


キム・スヒョン記者 newsoo@donga.com