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「プーチンの核戦争発言で世界の核兵器が再び増加へ、北朝鮮は核弾頭20個保有」 SIPRIが警告

「プーチンの核戦争発言で世界の核兵器が再び増加へ、北朝鮮は核弾頭20個保有」 SIPRIが警告

Posted June. 14, 2022 09:28,   

Updated June. 14, 2022 09:28

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冷戦終結後に縮小されてきた世界の核兵器が、ロシアのウクライナ侵攻により向こう10年間で再び増加するという見通しが出た。北朝鮮は今年1月現在、20個の核弾頭を有しており、最大55個の核弾頭をつくることができる核分裂性物質を保有していると推定された。スウェーデンの軍縮専門研究所であるストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は13日、ドイツ国際公共放送ドイチェ・ヴェレに、「核戦争のリスクが10年前よりはるかに高まった」と警告した。

●「プーチン核戦争発言後、各国が核兵器庫を増加」

SIPRIは、世界の軍備と軍縮現況を盛り込んだ2022年の年鑑で、昨年1月から今年1月に世界9ヵ国が保有する核弾頭は小幅に減少したものの、向こう10年間で核兵器が増加すると予想した。SIPRIは、「ロシアのプーチン大統領が核兵器使用の可能性に言及したことで、今後数年間、軍縮が進展することはかなり難しいだろう」と見通した。「プーチンの声」と呼ばれるテレビ司会者のウラジーミル・ソロヴィヨフ氏は6日、「全てのことが核戦争の方向に動いている」と主張した。

米国とロシアは、全世界の核兵器の9割を保有している。SIPRIによると、この1年間で米国の総核弾頭は5550個から5428個に、ロシアは6255個から5977個に減少し、世界の総核弾頭は1万3080個から1万2705個に減少した。世界の核弾頭は冷戦時代だった1986年に7万個を超えて以降、減少してきた。

しかし、SIPRIは、両国のほかに7ヵ国の核兵器保有国が新たな兵器システムを配備したり今後開発を準備したりするなど軍備拡大を図っており、長期的に核兵器拡散の可能性が高いと見通した。まず、中国の動きが注目される。SIPRIは、衛星画像を分析した結果、中国がこの2年間で300個の新たなミサイル格納庫を含め核兵器庫を拡張しており、昨年いくつかの核弾頭が追加で作戦部隊に配備されたものとみられると分析した。中国の魏鳳和国防相は12日、「核兵器部隊創設以来約50年間で中国の核武力建設に非常に大きな進歩があった」と明らかにした。

英国は、核弾頭保有量を向こう10年以内に現在180個から260個に増やすと明らかにしている。インドとパキスタンも核兵器格納庫を増やしている。膠着状態にあるイラン核合意(JCPOA・包括的共同行動計画)の復帰をめぐる問題なども核兵器縮小の障害に挙げられる。

核兵器を保有しなければならないという声も大きくなっている。ドイツ公共放送連盟(ARD)が最近実施した世論調査によると、回答者の52%が、「ドイツに米国の核兵器を保有しなければならない」という主張に賛成した。1年前の調査では回答者の14%だけが同意した。

●北朝鮮、完成した核弾頭20個を保有か

SIPRIは、北朝鮮が保有するウラン235、プルトニウム239など核分裂性物質で製造可能な核弾頭数を推定してきたが、今回の報告書で初めて北朝鮮が実際に保有していると推定される核弾頭数を集計に合算した。SIPRIは、北朝鮮が実際に有する核弾頭を20個とし、45~55個の核弾頭をつくることができる核分裂性物質を保有していると推定した。SIPRIは、「北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)で運搬できる作戦用核弾頭を生産したという証拠は公開されていないが、中距離弾道ミサイル用の弾頭を少量保有する可能性がある」と強調した。


黃聖皓 hsh0330@donga.com