北朝鮮の豊渓里(プンゲリ)核実験場の新たな坑道の復旧作業が確認された。7回目の核実験を行うとみられる「3番坑道」の復旧作業を終え、大規模核実験に向けた「4番坑道」の復旧の動きとみられている。4番坑道は水素爆弾実験のための坑道と推定され、北朝鮮が連鎖核実験を行う可能性が懸念されている。
米戦略国際問題研究所(CSIS)の北朝鮮専門サイト「ビヨンド・パラレル(Beyond Parallel)」は15日(現地時間)に公開した報告書で、豊渓里の4番坑道で新たな動きが確認されたと明らかにした。14日に撮影された衛星画像には、4番坑道の入り口で、工事中の壁や建設資材が確認された。報告書は、「4番坑道で確認された新たな活動は、今後核実験を可能にするための動きであることを示唆する」と分析した。
4番坑道の復旧作業は、核弾頭の小型化に向けた水素爆弾実験の準備のためのものとみられる。金正恩(キム・ジョンウン)総書記は昨年1月の第8回党大会で、核兵器の小型化・軽量化、戦術兵器化と超大型核弾頭の生産を指示し、「強対強」正面対決を強調した
豊渓里核実験場には4つの坑道があり、4番坑道は長さが800メートル以上と推定され、北朝鮮が復旧作業を完了した3番坑道よりも長い。3番坑道は相対的に爆発力が弱い戦術核兵器、4番坑道は爆発力が大きな水素爆弾実験のために建設されたとみられている。
このため、北朝鮮が3番坑道で韓国を狙った小型戦術核実験を強行した後、4番坑道で米国を狙った水素爆弾など高威力の核兵器実験を行う可能性があるとみられている。小型核弾頭がいくつかの目標物を同時に攻撃できる多弾頭大陸間弾道ミサイル(ICBM)を完成するための連鎖核実験ということだ。
北朝鮮は、2006年の1回目の核実験後に閉鎖された1番坑道を除く2、3、4番坑道を18年に核実験場を閉鎖するとして爆破したが、韓米情報当局はこれまで核実験に一度も使われていない3、4番坑道は95%以上が残っていると見ている。3、4番坑道の内側にある起爆室が爆破されず、坑道の入り口の復旧作業により再び核実験に使用できる状態になる。
ビヨンド・パラレルは、「核実験の準備ができたとみられる」とし、「7回目の核実験がいつ行われるかは、金正恩氏の手に委ねられている」と指摘した。
ワシントン=ムン・ビョンギ特派員 weappon@donga.com