8日午前10時頃、仁川(インチョン)国際空港の入国ゲートに米プリンストン大数学科教授のホ・ジュンイ氏が姿を現した。青いシャツに半ズボン、リュックサックを背負ったホ氏が出てきて、大きな花束を持った息子のホ・ダン君(7)を抱きしめた。ホ氏は将来を悩む韓国の若者にひと言求められると、「多くの10代、20代の人々がそうだったように、私も様々な試行錯誤を経験してきた」とし、「今振り返ってみると、私が歩いてきた道は曲がりくねっていたが、私にはそれが最も良くて早く、最適な道だったようだ」と話した。
ホ氏は、科学高校入学といった数学神童の道を歩まなかった。一般の高校に通って中退した後、大学入学資格検定を受けて大学に入り、物理学科を選択した。一歩遅れて専攻を数学に変更したホ氏は、世界的な数学者になり、「数学のノーベル賞」フィールズ賞を韓国系で初めて受賞する栄誉を手にした。
ホ氏は、「(韓国の10代、20代も)心に余裕を持ち、ゆっくり一歩ずつ進んで行けば、良い結果があると信じる」と話した。
ホ氏は数学者を夢見る学生たちにも、「我慢強く絶対にあきらめず、10年、20年続けることが強調されてきた。それにバランスを合わせるためにお願いするなら、時折、適時にあきらめることができる心が重要だ」と話した。「あきらめなければならない時とそうでない時をよく判断することが直観だが、個人的に難しい問題を理解する準備ができていなかったり、本人だけでなく人類がまだ理解できない問題があったりするからだ。問題に執着するよりも心をもう少し安らかにして、自分自身に親切になり、本人の心が向かう、おもしろい方向で勉強して研究するといい」。
ホ氏は、今回の受賞について、「韓国が文化、経済的に発展したので、学問的にも発展する順ではないかと思う」とし、「今後の韓国数学の発展のための私の役割が大きくなったようで気が重いが、全体的に幸せでうれしい」と明らかにした。
ホ氏は夏の間、韓国高等科学院で研究を続ける計画だ。13日には高等科学院で講演が予定されている。ホ氏は、「両親と一緒に済州島(チェジュド)に遊びに行くことにした。とても待ち遠しい」と話した。
キム・ミンス東亜サイエンス記者 reborn@donga.com