ロシアがウクライナ東部戦線の攻勢を強める中、ウクライナのゼレンスキー大統領(写真)が盟友である自国の情報機関トップとロシアの戦犯対応を務めた検事総長を反逆の疑いで解任したと、ロイター通信が17日、報じた。戦争が長期化し、ウクライナ政府内部に分裂の兆しが現れているのではないかという観測が流れている。
ロイター通信によると、ゼレンスキー氏は同日、バカノウ国家保安局(SBU)局長とベネディクトワ検事総長を解任する行政命令を発動した。ゼレンスキー氏はSNSを通じて、SBUと検察官僚がロシアに協力した疑いが明らかになり、これらの反逆行為が他の機関にも悪影響を与えているため、解任したと説明した。
ゼレンスキー氏は、2つの機関の職員が反逆容疑で651件に関与しており、刑事訴訟が行われていると明らかにした。また、SBUと検察職員約60人がロシアの占領地域でウクライナに対する反逆活動をしていると付け加えた。特に、バカノウ氏は、ゼレンスキー氏と幼いころからの友人。2人はゼレンスキー氏の知名度を上げて政界入りの踏み台となったTVショー「国民のしもべ」の制作会社を共に設立した。ベネディクトワ氏は2020年に任命され、ロシアの戦犯処罰に携わってきた。ゼレンスキー氏はベネディクトワ氏を検事総長に任命する時、「ウクライナの保安当局にこのような正直なトップはいなかった」と称賛したと、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは伝えた。
ゼレンスキー氏は、オレグ・クリニチ元SBUクリミア半島トップも前日反逆の疑いで逮捕したと明らかにした。クリニチ氏は、解任されたバカノウ氏の顧問だった。
趙은아 achim@donga.com