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罠にかかった青年

Posted July. 28, 2022 08:51,   

Updated July. 28, 2022 08:51

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酒、賭博、女!男を誘惑して破滅に追いやる3点セットだ。この3つの誘惑に勝つことができず、墜落した男は一人や二人ではないだろう。古代神話や聖書だけでなく、現代の日常の中でもそのような男の話はよく接する。17世紀のフランス画家、ジョルジュ・ド・ラトゥールはある裕福な青年が、誘惑の罠にかかった場面を絵に残した。

ラトゥールは、ルイ13世が作品を購入するほど生前に人気を博した画家だった。信仰心をかきたてる敬虔なムードの宗教画で名声を得たが、道徳的教訓を与える風俗画にも長けていた。この絵は、罠が乱舞する世の中の一面を鋭く、かつウィットを効かせて風刺した風俗画だ。

絵には、テーブルを囲んで座り、カード賭博をする3人が登場する。華やかに着飾った右の青年は、手に持ったカードだけを見ている。胸が広く開いたドレスを着た中央の女は売春婦だ。酒を注いでいる下女は、青年のカードの情報を女に渡している。左のペテン師は、勝敗を決めるダイヤモンドのエースのカードをすでに数枚持っている。いかさまだ。青年を除く3人は、慣れたように各自の役割を務め、協力している。賭博場に来た青年が持っている金貨を全て失うことは明白だ。ペテン師の男は自分の持つカードをそっと見せ、絵の外の観客も犯罪の傍観者に引き込んでいる。

裕福な青年は果たして純真なあまりやられたのだろうか。否、彼がペテン師の犠牲になったのは、愚かさと抑えきれない欲望のためだろう。状況を把握できず、ただ自分の手の中のカードだけを見ている鈍さのためだろう。その後、青年は過ちを反省し、正しい人生を生きたのだろうか。あるいは誘惑に負け、人生の破局を迎えたのだろうか。さもなければ富と権力を持つ父親に言いつけて彼らを皆処罰し、自分はまた別の快楽の中で生きたのだろうか。17世紀の絵が私たちに問いかけているようだ。