北朝鮮が韓国を核で攻撃する場合、米国本土に対する核挑発と見なして戦略核兵器など「拡大抑止(extended deterrence)」戦力を動員して対抗することなどを議論する韓米高位級拡大抑止戦略協議体(EDSCG)が9月に再稼働される。EDSCGでは、原子力空母打撃群、原子力潜水艦など米戦略兵器を韓半島に展開する時期や規模、方式なども具体的に議論される。EDSCGは2018年1月の第2回会議以降、南北関係の改善などを理由に開かれておらず、4年8ヵ月ぶりに再開される。
韓米国防長官は29日(現地時間)、ワシントンで会談を行い、近くEDSCGを開催することで合意した。軍関係者は、「9月中にワシントンで開催することを決め、細部日程も暫定確定した」と伝えた。李鐘燮(イ・ジョンソプ)国防部長官は会談直後、「米国が本土を攻撃されることを甘受しながらも、北朝鮮の脅威に対して韓国を守ることに確実な意思があるなら、それを裏付ける何かがなければならない。それがEDSCGだ」と明らかにした。北朝鮮が米本土まで攻撃可能な核搭載大陸間弾道ミサイル(ICBM)などの脅威を加える場合、米国の報復を保証する「安保装置」が必要となる。EDSCGがその役割をするということだ。
これに先立ち、5月の韓米首脳会談で両国首脳は、米国が韓国に提供する拡大抑止手段の一つとして「核」を含めることも検討し、EDSCGの早期再稼働に合意した。
韓米長官は、EDSCG開催後、拡大抑止手段運用演習(TTX)も年内に強化して開催することで合意した。TTXは、核の脅威、核使用の切迫、核使用など段階別に核挑発状況を仮定した韓米間の軍事的対応演習だ。
オースティン米国防長官は会談の冒頭発言で、「北朝鮮の攻勢に対抗する抑止態勢の強化や、中国、ロシアなど他の構造的競争者に対しても生産的な議論がなされることを望む」と述べた。
尹相虎 ysh1005@donga.com