韓国初の月探査機となる周回衛星「タヌリ(KPLO)」が5ヵ月の旅程を開始した。タヌリが年末に予定通りに月軌道に到達すれば、韓国は世界7番目の「月探査国」になる。
タヌリは5日午前8時8分48秒(現地時間4日午後7時8分48秒)、米フロリダ州のケープカナベラル宇宙軍施設第40発射施設から、米宇宙企業スペースXのロケット「ファルコン9」で打ち上げられた。科学技術情報通信部は、タヌリは打ち上げから約1時間30分経った午前9時40分頃、地上局と初めての交信に成功し、予定軌道入りが確認されたと明らかにした。
タヌリは2016年1月に開発に着手され、7年間で約2367億ウォンが投入された。公式の名称は「月を残らず享受する」という意味で、今年名称公募を通じて決まった。
無事に予定軌道に入ったタヌリは、約130日間の月への旅程を始める。地球や月、太陽の重力を利用して月軌道に進入する「弾道月遷移(BLT)」が採用された。遷移軌道入り後、最大で9回、軌道を修正する予定だ。12月中旬に月軌道に到着した後も、5回の起動を通じて最終目的地である月上空100キロの軌道に到達することになる。12月31日に目標軌道に無事に到達した後、来年1月1日から本格的に調査を行う。タヌリは月軌道を1年間毎日12回周回して任務に当たる予定だ。
今回のタヌリの打ち上げは、韓国宇宙探査の序幕を開いたと評価される。プロジェクトが成功すれば、ロシア、米国、日本、欧州、中国、インドに次ぐ7番目の「月探査国」になる。6月に国産ロケット「ヌリ」の打ち上げにも成功しており、新興宇宙強国の地位を固めることができることになった。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領も同日、フェイスブックに、タヌリの打ち上げを祝うメッセージを投稿した。尹大統領は「タヌリは、新資源強国、宇宙経済時代を早める大韓民国先発隊」とし、「広大な宇宙で堂々と翼を広げたタヌリが伝える夢と希望、忍耐のメッセージを考える」と強調した。
コ・ジェウォン東亜サイエンス記者 jawon1212@donga.com