「どうか来年のシーズン券はもう買わないでください」
米メジャーリーグ、サンディエゴ・パドレスのエリック・グループナー最高経営責任者(CEO)は最近、地元紙とのインタビューで「シーズン券の販売制限を検討している」とし、ファンにこのように訴えた。サンディエゴは来年シーズン券の販売を求める問合せが2万件を超え、本拠地ペトコパークがオープンした時に打ち立てた販売記録(1万8808枚)をすでに塗り替えた。
サンディエゴの応援熱気がこんなに熱いのは「出塁の神」フアン・ソト(24)のおかげだ。サンディエゴはトレード締め切り日(3日)に、今年移籍市場の最大の目玉といわれていたソトの獲得に成功した。そして、今年はともかく、負傷で離脱していたチームの看板選手フェルナンド・タティス・ジュニア(23)までフルシーズン消化が可能になった来季は優勝も狙えるという期待感がサンディエゴのファンの間で広がり始めたのだ。サンディエゴは1969年の球団創設以来、未だにワールドシリーズ制覇の経験がない。
サンディエゴがファンにシーズン券購入の自制を求めているのもソトのためだ。ソトは古巣ワシントン・ナショナルズの4億4000万ドル(約5740億ウォン)延長契約のオファーを振り切って移籍を選択した。2024年が終われば自由契約選手(FA)資格を得るソトをサンディエゴで一日でも早くチームに安定的に引き止めるには多額の「資金」が必要だからだ。
このような状況で定価より安いシーズン券の販売が増えれば球団収入も減ることになり、「試合ごとにチケットを買ってほしい」とファンに訴えたのだ。グループナー氏は、「状況によってシーズン券だけでなく(複数の試合や数人が観戦する時に割引してもらえる)セットチケットの販売制限も検討できる」と話した。
任寶美 bom@donga.com