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米国で満5歳が小学校に通う訳

Posted August. 09, 2022 08:26,   

Updated August. 09, 2022 08:26

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米国の小学校に通う息子の友人の母親Aさん。ワーキングマザーのAさんは、ずっと「満3歳の2番目の子どもが一日も早く小学校に入学してほしい」と話す。米国の小学校の課程は概ね満5歳のキンダーガーデンの学年から始まる。理由を尋ねると、「放課後のプログラムを申し込めば、午後6時に兄弟を一度に迎えに行くことができるので楽だ。何より高いプレスクールの費用をかけず無料の公教育の恩恵を受けることができていい」という答えが返ってきた。満3、4歳が通うプレスクールの費用は機関別、地域別に千差万別だが、Aさんは「月1500ドルほどかかる」と話した。息子が通う小学校は午後3時40分に下校、放課後は6時まで運営される。

キンダーガーデンは、韓国式で言えば幼稚園だが、小学校の厳然たる学年として存在する。だからといって韓国の教育部が発表し、長官の退任まで招いた「入学年齢引き下げ」を意味しない。キンダーガーデンは、子どもたちが、団体生活の規律を学び、学習の第一歩を踏み出すよう支援する満5歳のプログラムだ。1クラスに約20人で、担任と補助教師が配置される。授業中にトイレに行きたい時、ボタンを一人で留めることができない時、水筒を開けることができない時、先生が助けてくれる。

米国でも、入学年齢に対する論議が多かった。満6歳から始めた子どもたちが、後に自己統制能力がより高かったという研究もあり、満5歳から始めてこそ教育格差が減るという研究もある。州ごとに義務教育の年齢が様々だ。バージニア州は満5歳、ニューヨーク州とカリフォルニア州は満6歳だ。満6歳義務教育を選択した州は、州政府が満5歳の公教育を保障するものの、親に選択権を与えるという趣旨だ。

米国の親の多くが満5歳のキンダーガーデン入学を選ぶ。公立学校は無料で、ケアの空白がかえって減るうえ、学校でアルファベットの読み方や数字の数え方を教えてくれるので、拒む理由がない。米国でも教育熱が高い地域は圧倒されるが、主にPTA活動や倫理、体育、私教育で表われるだけで、韓国のように過熱した先行学習は珍しい。

韓国で未就学の幼児がいる親にとって、子どもの小学校入学は恐怖に近い。共稼ぎ夫婦には、「ケア空白の恐怖」だ。幼稚園は午後3、4時に終わるが、小学校は午後1時前に終わる。放課後の授業があったりするが、ある知人は、「放課後の授業申請は、BTSコンサートのチケット『クリック戦争』より難しい」と愚痴った。すべての父兄には、「先行学習の恐怖」だ。ハングルは学校で習えといって、数学叙述型の問題はどうやって解けというのか。幼稚園ですぐに小学校生活への適応が上手くできるのか。頭を痛めて結局は、多くのワーキングマザーは子どもが小学校に入学すると、会社を止める。

教育部はこのような「恐怖体験」を1年早くしろと爆弾宣言をしながらも、満5歳のための初等1学年カリキュラムは何なのか、初等1学年の教師は何人になるのか、ケア空白の解決策はあるのか、答えがない。幼児の早期教育まで過熱している状況で、公教育の範囲拡大は重要な政策的課題でもある。米ニューヨーク州は、プレスクールまで公教育の支援範囲を広げており、フランスは満3歳から義務教育を施行する。どこも年齢に合った教育プログラムを置いている。さらに教育部の入学年齢引き下げは、公教育の期間をそのまま12年にすることなので、拡大と見ることもできない。一体、この政策の趣旨と根拠は何か、いくら考えても正体がわからない。