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Kポップ研究のキム・スクヨンUCLA教授「失われたアメリカンドリームを見ているようだ」

Kポップ研究のキム・スクヨンUCLA教授「失われたアメリカンドリームを見ているようだ」

Posted August. 23, 2022 08:31,   

Updated August. 23, 2022 08:31

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「米国のZ世代(1996~2012年生まれ)にとってK-POPの成功記は失われた『アメリカンドリーム』を見ているようなものです」

20日(現地時間)、米ロサンゼルスのコンベンションセンターで会ったカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)演劇学科のキム・スクヨン教授(写真)は、最後の夢を叶える希望の象徴になった」としてこのように語った。

UCLAでK-POPを研究するキム氏は、米国のZ世代が特に韓国音楽や映画、ドラマに熱狂する理由が、Z世代の経験と関連があると強調した。キム氏は、「米国のZ世代は幼い頃、2001年の9・11テロ、08年の金融危機を経験し、不安な国際情勢と経済格差を体験して育った」とし「『一生懸命働けば家と車を買うことができる』というアメリカンドリームが失われた世代であり、公平性、社会的価値に敏感な世代だ」と話した。

彼らにとって、17年に米文化界から飛び出した「#MeToo」運動、20年の「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大切だ)」運動は、米国の文化全般に対して不信を抱かせるきっかけとなった。この時BTSが登場し、「よい影響力」が米国Z世代を捉えたということだ。「特に、韓国は他の主要先進国とは異なり、他国を支配した帝国主義の経験がない。韓国は経済的に成功し、悪い過去(加害の歴史)がないという点でZ世代は引きつけられるほかない」と付け加えた。

実際、キム氏はZ世代の教え子たちの韓国文化への関心に驚く時が多いという。今年の春学期から初めて演劇学科の学部に「K-POPのグローバル化」という科目を開設したところ、定員20人の小規模講義に100人を超える学生が集まったという。キム氏は、「学校でもK-POPの人気に驚いた。来年からはオンラインで講義を開放し、大講義で行うことを決めた」とし、「かつてはアジア系女性米国人がファンの中心だったが、最近は白人男性の認知度と関心も高まった」と話した。

音楽だけでなく韓国映画やドラマまで米国で人気を得ていることについて、キム氏は韓国特有の「感性」が米Z世代の繊細さと合致したと指摘した。キム氏は、「米国のZ世代は米国の歴史上、初めて階級意識に目覚めた世代」とし、「イカゲームなど韓国文化が階級問題に触れると共に、これを感性的なデザイン、感性的なコンテンツで伝え、Z世代の心を捉えた」と語った。さらに、「小学生にまでKカルチャーの影響力が拡大しており、人気は続くだろう」としながらも、最近、一部の歌手たちの黒人文化に対する卑下論議などを挙げ、「今、Kカルチャーが主流になった。私たちも『文化的感受性』にもっと敏感になる必要がある」と付け加えた。


金玹秀 kimhs@donga.com