8世紀の統一新羅時代、韓半島と中国、日本の海上貿易を主導した「海上王・張保皐(チャン・ボゴ)」は賎民出身だった。身分に閉じ込められず唐に渡った彼は、官職に就いて大金を稼いで故郷に帰る。今の全羅南道莞島(チョルラナムド・ワンド)に国際貿易港の清海鎮(チョンヘジン)を建設した張保皐は、そこで身分ではなく能力で人材を抜擢する政治を繰り広げる。
英雄張保皐を主人公にしたミュージカル「オーシャンズ」が、来月1~4日、ソウル江南区(カンナム)のコエックスアティウムで初演される。チュ・ジョンファ演出家(50)とホ・スヒョン音楽監督(57)が、前作ミュージカル「フリーダ」に続き新しく発表する作品だ。ソウル江南区のEMKミュージカルカンパニーで16日、2人に会った。
「今年で20歳になった娘を育てながら、両親の支援と良い背景のない子供たちが、目標を制限的に置くしかない現実が残念でした。自分の能力、意志より環境に押されて夢すら見られない子供たちに希望を与える話を探していたところ、立志伝的な成果を成し遂げた張保皐が、実は『土のスプーン』だったという事実を知りました」(チュ・ジョンファ)
劇は名前もなく、賎民として生まれた少年ファルボ(カンチャン、ジンホ)が唐に渡って宮伏(キム・チャンホ、チョン・ウォンヨン)として過ごし、張保皐(ペク・インテ、ユン・ソホ)になるまでの旅程を描いている。「三国史記」にも記録されている張保皐の竹馬の友ジョンヨン(キム・ジフィ、シン・ウンチョン)とウンミョン(ユン・ソクウォン)まで、舞台で計5人の俳優が張保皐と周辺人物を演じると同時に、観客に話も聞かせるショーミュージカルだ。
青少年を対象にしただけに、脚本と歌ともに簡単に表現した。チュ演出家は、「歴史の考証より、張保皐が目標に向かって思いっきり走っていく姿に集中した」と話した。ホ作曲家は、「サイとエルビス・プレスリーの歌、民謡『アリラン』と『ケジナチンチンナネ』のような大衆的な旋律を参考にした」と説明した。
ミュージカル「ウェルテル」(2001年)の俳優(チュ・ジョンファ)と編曲者(ホ・スヒョン)として出会い、夫婦になった2人は今年で結婚21年目を迎えた。「オーシャンズ」はミュージカル「フリーダ」「密かに偉大に」「ルードウィック」などに続き、この夫婦が作った13番目の創作ミュージカル。2人は互いについて、「私が望む音楽を作れる唯一の作曲家」(チュ・ジョンファ)、「作品に関しては格別な勘のあるすごい女性」(ホ・スヒョン)と褒め称えた。4万~8万ウォン。
李知訓 easyhoon@donga.com