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自動車業界「12年ぶりのスト無し」、EV時代のニューノーマルになるべきだ

自動車業界「12年ぶりのスト無し」、EV時代のニューノーマルになるべきだ

Posted September. 07, 2022 08:02,   

Updated September. 07, 2022 08:02

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今年、韓国国内自動車メーカー各社の賃金や団体協約交渉が紛争なく終わるだろうという期待が高まっている。業界の長兄である現代(ヒョンデ)自動車は先月19日、早期に賃金団体交渉を妥結した。4年連続の無紛争妥結で、1987年の労組設立以降、最長の無紛争記録を続けている。ルノーコリアの労使も先月末、暫定的合意案を可決させた。賃金交渉は合意し、団体協約だけが残った起亜(キア)自動車も無紛争妥結が予想される。双龍(サンヨン)自動車は今年賃金団体交渉がなく、韓国GM労組が進めている暫定合意案の投票さえ可決されれば、全ての自動車メーカーが12年ぶりに紛争なく賃金団体交渉を妥結することになる。

過激な貴族労組の代名詞と認識されてきた自動車メーカーの労組が紛争なしに労使交渉を進めたのには、ドル高や物価高、金利高の「3重苦」の危機の中で、会社と力を合わせなければならないという雰囲気が働いたという。新型コロナと米中新冷戦の影響で鉄鋼価格が高騰し、半導体などの供給難まで重なった状況で、海外のライバル企業より生産を増やさなければならないという危機感が大きかったという。

通常第3四半期は、労働界の「夏闘」により生産支障が最も多い時期だ。しかし、紛争のない今年は状況が変わった。先月、現代自動車は国内外で1年前より11.6%増の33万5000台、起亜自動車も10.4%増の24万台を販売した。ルノーコリアと韓国GMも、販売台数が31.4%と9.6%急増した。業績改善は補償につながり、労使紛争の可能性をさらに下げた。

電動化の急激な進行で、自動車産業は激変期を迎えている。内燃機関車の時代が急速に幕を下ろし、世界各国は「自国保護主義」に基づいた新しい戦略を練っている。米国で組み立てられた電気自動車(EV)だけに補助金を与え、韓国EVは不利益を受けることになった「インフレ削減法」は、その引き金に過ぎない。後発国から出発してトップ圏に進入したばかりの韓国企業にとって耐え難い変化だ。

部品と生産過程が内燃機関車より30%以上減少するEV時代には、必要労働力も少なくなる。人員削減に対する労働者、労組の恐怖が大きいのは当然だ。競争力の高い車を開発して、減少する労働需要以上に生産、販売を増やすことが労使対立を減らし、持続成長を図る道だ。自動車業界の無紛争賃金団体交渉の妥結は、韓国の自動車産業が目指すべき新しい基準を提示したという点で意味が大きい。