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仏国寺と麻谷寺の丹青の中の未知の色「緑青」の秘密を解く

仏国寺と麻谷寺の丹青の中の未知の色「緑青」の秘密を解く

Posted September. 09, 2022 08:44,   

Updated September. 09, 2022 08:44

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慶尚北道慶州(キョンサンプクト・キョンジュ)の仏国寺の大雄殿、忠清南道公州(チュンチョンナムド・コンジュ)の麻谷寺の大雄宝殿など古建物の丹青を塗るために使われた伝統顔料「緑青(銅で作られた緑色の顔料)」は、蓮の葉のように濃い緑色を帯び、「荷葉」と呼ばれた。しかし、19世紀末、近代に入って失われた色になってしまった。化学顔料市場が大きくなり、高価で長い工程を経る伝統顔料は、伝授の脈が断ち切れてしまったためだ。緑青は、韓日中の伝統顔料市場を支配している日本と中国でさえ復元できない「未知の色」となった。

永遠に失われたと思われた緑青を先月、文化財庁国立文化財研究院が復元した。2019年から韓日中の古文献に基づいて製造法を見つけ、伝統顔料強国である日本と中国より先に緑青の謎を解き明かしたのだ。7日、大田(テジョン)国立文化財研究院復元技術研究室で会ったイ・ソンミョン学芸研究士(40)は、「韓中日の古文献に2行で説明された緑青の製造法が分かるまで4年の歳月がかかった」と話した。

現在まで伝わる緑青の製造法は、659年唐の医学書『新修本草』に出てくる「銅粉と光明塩(塩化ナトリウム)、磠砂(どうしゃ・塩化アンモニウム)などを用いて製造する」という記録が代表的だ。昔の人たちは、錆びて腐食した銅器の表面が緑色を帯びることに着眼し、銅が腐食した時に出る物質を利用して緑色の顔料を作った。しかし、文献の中には材料についてのヒントがあるだけで、正確な成分割合の説明はなく、製法は闇の中だった。

復元技術研究室のカン・ヨンソク研究員(44)は、「謎を解くように原料である銅と腐食剤である塩化ナトリウムと塩化アンモニウムの割合を少しずつ調整して数百回を超える実験を経た」とし、「2年間の実験の末、銅粉と腐食剤の比率が1対2の時に最も効率的であることを突き止めた」と説明した。

しかし、実験はここで終わらない。こうして作られた緑青を使えばいいと考えたが、木の表面に塗ってみると、均等に塗ることができなかった。さらに、光にさらされると3年以内に緑色が暗く変色するという予測結果も出た。

「『できた』と思ったら、また難関にぶつかりました。緑青の中に残っている塩の成分のために変色したんです。緑青から塩の成分を完全に取り除くまでに6ヵ月かかりました。その時、気づきました。伝統を復元することには終わりがないということを」(カン研究員)

辛うじて得た緑青の色は、化学顔料とは明らかに違った。彼は、「天然の顔料で塗られた表面は粒子で立体的に感じられるのに対し、化学顔料が塗られた表面は平面的だった」と語った。「これがまさに伝統顔料を復元する理由」と笑った。

昔の丹青を最も伝統的な方法で復元する道も開かれた。国立文化財研究院が2017年から20年まで伝統古建築文化財44ヵ所で、緑色の顔料で塗られた668ヵ所の成分を分析した結果、226ヵ所に緑青が使われていることが確認された。天然の緑色顔料「石緑」や「磊緑」よりも、緑青の使用割合が高かった。国立文化財研究院は、今後、丹青を塗る職人に緑青の持つ特性を伝授し、伝統顔料に対する理解を深める計画だ。

「私たちは時間に逆らう。一つの伝統顔料が復元され、世に使われるまで10年、多分それ以上の時間がかかるかもしれません。時代遅れのように見えても、文化財を保存するために原則を守らなければなりません。」(イ学芸研究士)


イ・ソヨン記者 always99@donga.com