「ロンドン橋落ちた(London Bridge Is Down)」
25年間、英ロンドンで暮らすタクシー運転手のモハメド・カリルさんは、記者がロンドンに到着した9日(現地時間)、「バッキンガム宮殿に行ってほしい」と言うと、このように言った。「ロンドン橋落ちた」という表現は、エリザベス女王死去後の一連の計画のコードネーム。女王の死去がロンドン橋の崩壊のように英国に大きな衝撃を与える事件という意味を含んでいる。
現地で会った英国人たちは、コードネームのように女王の死で動揺していた。市民らは、女王を「精神的支え」と表現した。そして40年ぶりの最高値を記録した高物価や類例のないエネルギー難など総体的な難局に直面した状況で女王が死去したことに対する不安を語った。ロンドン地元紙の記者のメラニー・マクドナルドさんは記者に、「(スキャンダルで)首相が代わり、(女王の死去で)国王まで代わった。このすべてのことが一週間内で起き、混乱している」とし、「困難な時期なので、女王のことが恋しくなるだろう」と話した。
トラス首相は8日、英ロンドン・ダウニング街10番地の首相官邸の前で、「女王は近代英国の礎をなした岩のような存在だった」と悼んだ。70年という長い在位期間、激変の現代史を英国民と共にし、揺らぎないリーダーシップを示したことを称えた。
女王は8日、静養先のスコットランドのバルモラル城で死去した。96歳だった。1926年に生まれ、1952年に即位した女王は、「ノブレス・オブリージュ」の象徴であり、英国の最長寿君主として英国民から尊敬を受けた。王室の中心となり、女性指導者として卓越したリーダーシップを示したと評価された。女王の長男、チャールズ3世は10日、73歳で英国王に即位した。
趙은아 achim@donga.com