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玩具の銃で銀行立てこもったら…「英雄」扱いのレバノン女性

玩具の銃で銀行立てこもったら…「英雄」扱いのレバノン女性

Posted September. 16, 2022 09:13,   

Updated September. 16, 2022 09:13

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経済危機で預金の引き出しが凍結されたレバノンで、玩具の銃を持って銀行に押し入り、現金1万3千ドルを盗んだ女が現地のソーシャルメディアで英雄扱いされている。数年間続く不況で市民の不満が高まっているためだ。

14日、AP通信によると、サリ・ハフィズ容疑者は同日午前、「怒れる預金者」というデモ隊と共にレバノン・ベイルートのブロム銀行に押し入った。ハフィズ容疑者は、玩具の銃を取り出し、「誰も殺したり傷つけたりしたくない。私の権利を求めて来た」と叫んだ。銀行の支店長室に入ったデモ隊はガソリンをまいて火をつけると脅し、銀行側は金を渡した。

ハフィズ容疑者は、地元メディアに、癌の治療を受けている妹のために金が必要だったと明らかにした。そして、「前にも銀行に行って、妹が死にそうなので、私の口座にある2万ドルを引き出したいと頼んだが、月に200ドルしか引き出すことができなかった」とし、「もう失うものが何もないところにまで来た」と話した。

レバノンは2019年から新型コロナウイルスの感染拡大、ベイルート港大爆発、ウクライナ戦争などが重なって経済難が深刻になり、通貨レバノンポンドの価値は10分の1以下に暴落した。レバノン政府は、「バンク・ラン(取り付け騒ぎ)」を防ぐために、19年から銀行の外貨預金の引き出しを制限し、数百万人の資産が凍結されている。レバノン全人口4分の3が貧困に苦しんでいる。世界銀行は、レバノンの経済危機を19世紀以降、世界で最も深刻で長期的な不況と診断した。

レバノンで預金を引き出すために市民が武器を持って銀行を押し入ったのは今回が初めてではない。先月には父親の病院費のために、口座にある20万ドルを出せとライフルを持った男が銀行に立てこもった。


金民 kimmin@donga.com