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同じ場所で744年、青瓦台の最古参たち

同じ場所で744年、青瓦台の最古参たち

Posted October. 22, 2022 08:56,   

Updated October. 22, 2022 08:56

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青瓦台(チョンワデ)のオーナーが数十回も変わる間も、揺れずに元の場所を守った木々がある。青瓦台の守宮の跡にある744年のイチイは、青瓦台で最も樹齢の多い古木だ。長い歳月を耐えてきたせいだろうか。小柄な背丈に胴体のほとんどは死んでしまい、中は空っぽだったが、今も夏が訪れると、青い葉が満開になる強靭な生命力を持っている。果たして、イチイだけだろうか。青瓦台には現在、100年以上の古木がなんと計43本もある。

今年5月10日、青瓦台が開放された後、歴代大統領が居住していた官邸と貴賓を迎えた常春齋(サンチュンジェ)などの建物は大きな注目を集めたが、青瓦台にある5万5000本あまりの木々は、名もなく通り過ぎる登山路の脇役に過ぎなかった。慶北(キョンブク)大学山林学名誉教授である著者は、2019年、大統領警護処の依頼で青瓦台の境内にある木208種を調査し、研究書「青瓦台の木と草花」(2019年)に盛り込んだ。本には、青瓦台の通行路に沿って簡単に見られる木など85種を選び、詳細な解説を盛り込んだ。著者は、「より多くの人々に、青瓦台の木にまつわる話を聞かせてあげたかった」と話す。

著者が、歴代大統領が青瓦台の境内に植えた記念植樹の中で、政治的意味を指摘する部分も興味深い。2003年、当時の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が、青瓦台近くの登山路に植えたアカシデは、花が美しくも、実もなく、醜いほうに属する。特徴があるとすれば、普通の山で出会うことができるありふれた木だということ。著者は、「アカシデには、庶民寄りと脱権威を強調した盧元大統領の哲学が盛り込まれている」と解説する。

本の第1章には、「青瓦台の木の地図」が盛り込まれている。ドッグウッドやアズキナシ、ウコギ、キンギンボク、エゴノキ…。青瓦台を観覧する時、生まれて初めて聞く木の名前でぎっしり詰まったこの地図を広げてみてはどうだろうか。もしかしたら、青瓦台の真の主人は、世の中が変わっても長い間自分の座を守ってきたこの木々かもしれない。


イ・ソヨン記者 always99@donga.com