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相次いで安全警告を無視した政府、「梨泰院惨事」の責任は大きい

相次いで安全警告を無視した政府、「梨泰院惨事」の責任は大きい

Posted November. 02, 2022 08:46,   

Updated November. 02, 2022 08:46

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梨泰院(イテウォン)のハロウィーン惨事の3日前の先月26日、警察と龍山(ヨンサン)区庁との懇談会で、商人団体が「圧死事故を含む安全事故が発生する可能性がある」とし、対策を要請したという。龍山警察署112状況室は同日、安全事故の危険を警告する報告書を作成した。龍山警察署情報課の報告書にも、「予想を超える人が集まり、安全事故の恐れがある」という内容が盛り込まれ、警察内部網で共有された。しかし、警察や区庁は、このような事前警告を事実上無視した。

惨事当日も危険を知らせる兆候がいくつもあったが、現場の対応に穴が多かった。尹熙根(ユン・ヒグン)警察庁長は1日、「事故発生直前に現場の深刻性を知らせる112通報が多数あった」とし、「群衆が集まって事故が起こる危険性を知らせる切迫した内容だったが、現場の対応は不十分だった」と述べた。惨事当日午後6時から400件を超える112通報が殺到し状況は深刻で、警察や区庁は防犯カメラを通じてこのような異常兆候を把握することができた。警察が関連機関と協議し、もう少し早く積極的に現場を統制したなら、事態は変わっていたかもしれない。警察は遅れて大規模な人員で迅速な監察と捜査をしているが、惨事発生前にそのような決定をすべきではなかったのか。

ハロウィーンイベントのように主催側がいないイベントの安全管理に対する制度的整備をせず、長期間放置したことも問題だ。セウォル号惨事の翌年の2015年、警察は安全死角地帯と呼ばれる市民が自発的に集まる大規模イベントの対応マニュアルの研究を外部機関に依頼した。当時、報告書は、警察がイベントに介入できる規定が必要であり、マニュアルに具体的に関連機関ごとの役割を規定しなければならないと指摘した。しかし、警察は事故発生の危険性を知っても、7年間制度を整備しなかった。

災害を事前に徹底して予防し、万一災害が発生した場合、その被害を最小化することが政府と地方自治体の責務だ。段階ごとの行動要領の全てに穴が開いていれば大惨事につながるほかない。長期間、短期間にわたる事前警告が、何度も無視された経緯と現場の対応がお粗末だった理由をすべて明らかにしなければならない。惨事の問題点が正確に把握されなければ、再発を防止することはできない。