ポスコケミカルは、電気自動車バッテリーの重要素材である陽極材を生産する光陽(クァンヤン)工場を、単一工場基準で世界最大の年産9万トン規模に増設した。
ポスコケミカルは10日、全羅南道光陽市(チョルラナムド・クァンヤンシ)で陽極材光陽工場の総合完成式を行った。今回の増設を通じて、従来の年間3万トンだった生産能力が9万トンに拡大した。ポスコケミカル側は、60kWh(キロワット時)のバッテリーを搭載した高性能電気自動車100万台余りを生産できる規模だと説明した。
ポスコケミカルの閔庚逡(ミン・ギョンジュン)社長は完成式で、「世界最大規模、最高水準の技術を備えた生産基地を構築し、急成長する市場需要に対応する基盤を用意した」と話した。
光陽工場は2018年8月、年間生産の5000トン規模で第1段階の着工後、電気自動車市場の成長に歩調を合わせて、計4段階にわたって増設してきた。敷地面積は16万5203平方メートルで、サッカー場23個の大きさに達する。
光陽工場では、次世代電気自動車のバッテリー素材の一つである「ハイニッケルNCM・NCMA」を主力に生産する予定だ。ハイニッケルNCM・NCMAは、ニッケル含有量を60〜80%まで高め、コバルトやマンガン、アルミニウムを組み合わせて作った陽極材素材だ。バッテリー容量を引き上げることができるという長所のおかげで、次世代電気自動車のバッテリー素材に挙げられる。
ポスコケミカルは、光陽工場の増設完了で、1万5000トン規模の既存施設と合わせて、年間陽極材の生産能力が10万5000トン規模に拡大することになった。6万トン規模の浦項(ポハン)工場、3万トン規模の中国浙江浦華工場、米ゼネラルモーターズ(GM)と合弁する3万トン規模のカナダのケベック工場なども追加で建設および増設している。2030年までに全体生産能力を61万トンにまで引き上げる計画だ。
ポスコグループはこの他、光陽を中心にバッテリー原料や素材の生産バリューチェーンを造成し、電気自動車の需要に対応している。ポスコフィルバラリチウムソリューションは昨年5月、水酸化リチウムの生産工場を、ポスコHYクリーンメタルは昨年9月、廃バッテリーからリチウムやニッケルなどを抽出するリサイクル工場を光陽栗村(ユルチョン)産業団地でそれぞれ着工した。
ハン・チェヒ記者 hee@donga.com