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遺族同意のない名簿公開、「墜落の祈り」…どうしてこんなことにまで

遺族同意のない名簿公開、「墜落の祈り」…どうしてこんなことにまで

Posted November. 16, 2022 08:41,   

Updated November. 16, 2022 08:41

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左派系のインターネットメディア「タンポポ」は14日、梨泰院(イテウォン)のハロウィ-ン惨事で亡くなった158人のうち、155人の実名を遺族の同意も得ずに公開した。最近、「清潭洞(チョンダムドン)酒席」の疑惑を提起したユーチューブチャンネル「ザ・探査」と共に、匿名の情報提供者から入手した名簿だという。同日、カトリック正義具現全国司祭団も、同メディアから名簿を受け取り、追悼ミサで公開した。

これらのメディアが主張する通り、「真の追悼」が目的だったとすれば、遺族の同意から受けなければならなかった。無断公開は、犠牲者と遺族を2度泣かせる反人権的行為だ。犠牲者の名前が公開される場合、インターネット上でのコメントを通じた2次的加害も懸念される状況だった。望まない実名公開で、遺族が得られるものは一体何か。無断公開をしなければならないほど緊迫した事情があるわけでもない。ザ・探査は、正義具現司祭団が犠牲者の名簿を読み上げる写真を背景に笑いながら、広告性「トッポッキモッパン」までした。法律違反の問題とは別に、公益的な価値とは見られない反人間的な行動だ。

同日、大韓聖公会のキム・ギュドン神父は、ソーシャルメディアに、「大統領専用機が墜落することを願ってやまない」という文を掲載し、司祭職を剥奪された。カトリック大田(テジョン)教区のパク・ジュファン神父も、ソーシャルメディアに大統領夫妻が飛行機から墜落する合成イメージと共に、「(墜落を)祈る」という文句を掲載した事実が知らされ、昨日、聖務執行停止の処分を受けた。多くの人を乗せた飛行機の墜落を口に出して祈ったことに驚き、憎悪と呪いの暴言を吐いた人が聖職者だったという事実に2度驚くことになる。どうしてここまで来たのか。

350人以上の死傷者を出したハロウィーン惨事で、生存者と遺族はもちろん、多くの国民が心理的衝撃から抜け出せずにいる状態だ。傷ついた国民を慰め、惨事の原因を解明して再発防止対策を講じなければならない政界は、悲劇的な惨事を素材に政治攻防に熱を上げている。分裂のあるところに愛と和解の種をまかなければならない聖職者でさえ、一般人より劣る倫理意識で傷をつけ、不安と対立を助長している。手遅れになる前にみんな立ち止まって、自分の居場所に戻ることを願う。