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諫官の不満

Posted November. 18, 2022 08:30,   

Updated November. 18, 2022 08:30

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杜甫と同じ時期に諫官を務めた詩人。2人は共に皇居の赤い階段に上り、中書省と門下省に分かれる。夜明けから夕方までいるので、皇居のにおいが服につくほどだ。だが、自分の職責をしっかり果たしたのか考えると、自分でも満足できない。四十にもならない年だが、白髪が生え、花が落ちるのを見ると、もの悲しくなる。空高く飛ぶ鳥が羨ましく感じられるのもこの不満のためだ。なぜそうなのか。諫言が以前より減っているからだ。政治が混濁しているにもかかわらず、諫言がむしろ珍しくなったことが快く思えない。諫言を自由にできず、諫官が自分の役割を果たせなかったということだ。「太平とは、朝廷に失策がないからだろうか」と慎重に同意を求めたのは、6、7歳年長の杜甫への礼儀だ。

この詩を受け取った杜甫の返詩。「つややかな柳の枝は青く、美しい花冠はただ赤い。良い文ができれば、この白髪老人に贈ってください」(右補闕岑参の詩に答える)。青い柳のように生き生きとし、赤い花のように情熱的なあなたが、落花云々するのですか。軽率に行動して憎みを買わず、むしろ老いた私が諫言するようにしてください。岑参の不満を受け止める杜甫の仲間意識が心強い。