Go to contents

韓中の「1.5トラック対話」、来春前に開始で合意…「対中関係リセット」

韓中の「1.5トラック対話」、来春前に開始で合意…「対中関係リセット」

Posted November. 25, 2022 08:39,   

Updated November. 25, 2022 08:39

한국어

韓国と中国が、経済通商分野が中心となった「1.5トラック」対話を遅くとも来春前に開始することで合意し、詳細な協議を進めている。両国は、高位級経済協力体も稼働することを決め、事前協議に着手した。政府は最近、経済活性化に総力を挙げる中、最大輸出市場である中国との関係強化がこれに必須であると判断したという。また、7回目の核実験が差し迫っている北朝鮮に圧力をかけるためにも、対中協力の必要性は大きくなっている。中国にとっても、習近平国家主席が3期目を確定した中、韓国が米国に過度に偏らないよう友軍として確保する必要性が高まり、自然に韓中交流の幅を広げる空間が開かれたとみられる。

●「韓中1.5トラック、充実した運営」

24日、東亜(トンア)日報の取材を総合すると、韓中両国は最近、各種協議チャンネルを稼働するために活発に議論している。特に注目されるのは1.5トラックだ。1.5トラックは、政府関係者に加え、民間有識者が参加した「半官半民」形態の対話体制。習氏は15日(現地時間)、インドネシア・バリで開かれた韓中首脳会談で、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に韓中間の1.5トラック対話体制の構築を提案した。

政府関係者は東亜日報の電話取材に対して、「遅くとも来春前の(1.5トラック)開始を目指して(中国と)協議している」と明らかにした。これに先立ち、両国は今年、国交正常化30年を迎え、韓中関係の未来像の提言などを目的に昨年8月から1年間、1.5トラック協議体「韓中関係未来発展委員会」を設置した。この協議体には、両国から22人ずつ計44人が委員として参加し、分野別の政策提言を盛り込んだ報告書も提出された。

来年稼働する見通しの1.5トラック体制は、今年終了した協議体よりも充実した運営になるという。政府関係者は「(1.5トラックは)両国政府が主要懸案ごとに何をするのか、どのように協議していくのかなど青写真を描く重要な役割を果たすだろう」と強調した。両国は今月、首脳会談前にすでに1.5トラック体制に関する実務協議を始め、最近この体制の構成・形態・方式などと関連して議論を進展させた。

政府は外交通商チャンネルを通じて、中国との高位級経済協議体を定期的に運用するための実務協議にも着手した。ここでは、両国間の輸出通商及び供給網(サプライチェーン)の安定に向けた意思疎通協力などが議論されるものとみられる。

●韓中関係の変曲点、「限韓令」の解除につながるか注目

尹政府は発足直後、米国との同盟強化を最優先の基調に掲げた。5月、中国に対抗した米国主導の新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」に参加した当時、大統領室関係者は「韓国はIPEF加入で『安米経中(安全保障は米国、経済は中国)』から脱し、『安米経世(安全保障は米国、経済は世界)』に本格的に乗り出した」と明らかにした。その後も、韓米日の協力は強化されたが、韓中関係は悪化したのではないかと指摘されていた。

しかし最近、政府の対中基調は多少変わったムードだ。就任当初と比較して、中国関係に力を入れている。政府の別の関係者は、「韓中関係が変曲点に入った」とし、「今や中国との関係をもう少し密着させる方向で再設定する段階」と話した。

韓中両国の最大懸案の一つである「限韓令(韓流禁止令)」が解除されるかどうかにも関心が集まる。中国は最近、限韓令以来6年ぶりに動画配信サービス(OTT)で、韓国映画を配信した。大統領室は、「韓中首脳会談を機に、中国がOTT措置で応えた」と意味づけた。中国外交部は23日、定例会見で、「中国政府は一度もいわゆる限韓令を施行したことがないことを改めて強調する」としながらも、「中国は韓国との文化交流協力に開放的な態度を維持している」と明らかにした。これを受け、今回のOTT措置が限韓令解除の信号弾ではないかという観測も流れている。


申晋宇 niceshin@donga.com