「すべてが一気に変わるわけではない。急にスーパーマンになることはできない」
日本代表の森保一監督(54)は、2022ワールドカップ(W杯)カタール大会の全日程を終えて、こう話した。「サムライブルー」日本が再びベスト8入りできなかったことに対する残念な気持ちを込めた言葉だった。
日本は6日、カタールのアルワクラにあるアル・ジャヌーブ・スタジアムで行われた決勝トーナメント1回戦でクロアチア(12位)に敗れた。日本は前回準優勝のクロアチアを相手に延長戦までの120分間、1-1で対等な試合を行ったが、PK戦で1-3で敗れた。
日本はグループリーグでドイツ、スペインを連破してE組1位となり、アジア勢では初めて2大会連続16強進出に成功した。日本はこの日も前半43分、前田大然(25=セルティック)の先制ゴールで1-0でリードし、準々決勝進出に有利な位置を占めた。日本の今大会初の先制ゴールだった。
しかし、日本は後半10分、クロアチアのイヴァン・ペリシッチ(33=トッテナム・ホットスパー)にヘッダーゴールを許し、延長戦が終わるまで追加得点を挙げることができなかった。結局、今大会初のPK戦に突入。
日本は先制のチャンスをつかんだが、1番キッカーの南野拓実(27=ASモナコ)、2番キッカーの三苫薫(25=ブライトン)に続き、4番の主将・吉田麻耶(34=シャルケ04)までゴールを決められず、クロアチアにベスト8入りのチケットを渡さなければならなかった。
日本は今大会を通じて世界サッカー界を驚かせるのに十分だった。「日本の長所を生かした日本らしいサッカーを確立せよ」という注文と共に、2018年に日本代表監督に選任された森保氏はボール支配率にこだわる代わりにカウンター攻撃を中心とした戦略で強豪を倒した。スペイン戦ではW杯史上最低の支配率(17.7%)で勝利する記録を残した。試合後半に「ジョーカー」として投入した堂安律(24=フライブルク)が2ゴールを決めるなど、森保監督の用人術も輝いた。
PK戦が終わった後、選手一人ひとりを抱いてあげた森保監督は、観客席に向かって6秒間、腰を90度に下げて挨拶した。米スポーツ専門メディアESPNは、森保監督がお辞儀する写真をソーシャルメディア(SNS)に掲載し「尊敬に値する」とコメントした。
日本サッカー協会は森保監督に2年再契約を提案したという。2年の成果次第では、次の2026北中米W杯まで指揮官を任せる可能性も高い。インターネットポータルサイト「ヤフージャパン」で森保監督のクロアチア戦の選手起用と戦術について約3万7000人が参加したアンケートで、回答者の73%が支持を表明した。
姜泓求 windup@donga.com