梨泰院(イテウォン)で起きた雑踏事故を捜査している警察庁特別捜査本部(特捜本)が龍山警察署の李林宰(イ・イムジェ)前署長(写真)とソン・ビョンジュ前龍山署112状況室長に対する拘束令状を再請求することを決めた。
特捜本は7日午前、記者会見で、李氏とソン氏に対して「裏付け捜査を進めた後、拘束令状を再請求する計画」と明らかにした。
裁判所は5日、証拠隠滅の疑いを受けている警察庁公共安寧情報外事部のパク・ソンミン前部長と龍山(ヨンサン)警察署のキム・ジンホ前情報課長に対する拘束令状は発付したが、李氏とソン氏に対しては「拘束の事由と相当性を認めることは難しい」と請求を棄却した。
特捜本が李氏らに対する拘束令状を再請求したのは、核心人物である李氏の身柄を確保できない場合、世論の激しい批判を受けることは避けられず、今後、消防当局や龍山区に捜査を拡大する際に支障が予想されるからだ。警察関係者は、「現場責任者であり主要被疑者である李氏の容疑を先に立証してこそ、今後上層部や他機関責任者に対する捜査につなげることができる」と説明した。
特捜本は、李氏とソン氏に対する拘束令状の再請求を準備するとともに、朴熙英(パク・ヒヨン)龍山区庁長とチェ・ソンボム龍山消防署長らに対する拘束令状請求も検討している。
一方、梨泰院雑踏事故の遺族で構成された「10・29梨泰院惨事遺族協議会準備の会」は同日、声明を出し、「警察内の証拠隠滅情況が確認された状況で、裁判所の令状棄却決定は納得できない」と遺憾の意を示した。また「特捜本が証拠隠滅または逃亡の懸念をなぜ明らかにできなかったのか疑問」とし、「お粗末な捜査が懸念される」と指摘した。
ユ・チェヨン記者 キム・ギユン記者 ycy@donga.com · pep@donga.com