米中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は、未曽有の速さで行われていた基準金利の引き上げ速度を多少遅らせた。しかし、「緊縮の加速ペダル」からしばらく足を離しただけで、急ブレーキを踏むことはなかった。速度は少し遅くなったが、来年も金利引き上げの基調を継続する方針を明確にしたのだ。何よりも、FRBの来年の最終金利の予測値が5%台に上方修正され、今後の韓国の基準金利も従来の予測値である3.5%を超えるだろうという観測が出ている。
FRBは14日(現地時間)、今年の最後の連邦公開市場委員会(FOMC)でビッグステップ(基準金利の0.5%引き上げ)を決定し、基準金利を4.25~4.50%に引き上げた。これで米国の基準金利は、2007年10月(4.75%)以来15年ぶりに最も高い水準に上がった。今年6月から続いた4連続のジャイアントステップ(基準金利の0.75%ポイント引き上げ)の当時よりは、金利引き上げの歩幅が一段階遅れたのだ。
緊縮速度を遅らせたものの、FRBのジェローム・パウエル議長は同日の記者会見で、タカ派(通貨緊縮を好む)の本性を十分に示した。パウエル議長は、「まだまだ先は遠い」とし、「物価上昇率が減速傾向を示したことは歓迎すべき指標だが、インフレが持続的に下落傾向を見せていると信じるためには、はるかに多くの証拠が必要だ」と話した。氏は続けて、「FRBは物価上昇率が2%に落ちているという確信ができるまで、金利引き下げはしないだろう」とし、市場の早期の「ピボット」(政策転換)期待に水を差した。
パウエル議長の発言は同日、FRBが公開した今後の金利予測を示す「点図表」にそのまま盛り込まれた。FOMC委員19人が予想した来年の最終金利の中間値は5.1%で、9月の予測値(4.6%)より0.5%ポイント上昇した。FRBが来年、金利の0.75%ポイントの追加引き上げを行う可能性は高いという意味だ。
FRBのビッグステップで、韓米基準金利の格差は約22年ぶりに最も大きい1.25%ポイントに広がった。当初、市場では韓国銀行が来年1月の会議で基準金利を3.50%に0.25%引き上げた後、追加引き上げを中断するという観測が説得力を得ていた。しかし、FRBが金利を5%台に引き上げれば、韓米金利差は過去最大だった1.50%まで拡大する。内外の金利差で外国為替市場の変動性が再び大きくなれば、韓銀は金利をさらに引き上げざるを得ない。
FRBのピボット前まで、韓銀も現在3.25%である基準金利から金利引き下げなしに、3%台の高金利を相当期間維持するものと見られる。韓銀金融通貨委員を務めた延世(ヨンセ)大学国際大学院のハム・ジュンホ教授は、「韓国は、緊縮にともなう金融不安と景気低迷に対する懸念が相対的に大きい状況だ」とし、「ただ、対ドルウォン相場が1ドル=1300ウォンの水準で安定傾向を見せるならば、韓銀は先月予測した金利経路から大きく抜け出すことはなさそうだ」と話した。
朴民優 minwoo@donga.com