「カナダ・トロントから米ニューヨークに行き、最悪の吹雪で身動きが取れなかった。その時『アラバマホテル』のジョーが私たちを助けてくれた」、「私はトロントの家に向かう途中、立ち往生した。ジョーがいなかったら、どうなっていたことか」
米ニューヨーク州のバッファローとロチェスターの間の小都市バサムにある名前だけがホテルのレストラン、アラバマホテルに対する26日のグーグルレビューには、このような感謝の声が書き込まれた。45年ぶりの激しい吹雪に襲われて立ち往生した約100人の人々をレストラン側が休めるようホテルのように開放したためだ。
カナダとナイアガラの滝からニューヨーク州中東部に行く関門であるバッファローは、観光客の通行が多い。ちょうど流動人口が多いクリスマスの連休に襲った吹雪でレストランのオーナー、ボニー・ウッドワードさんとマネージャーのジョー・ブラットさん、そして従業員らは、立ち往生した人々を助けることにした。レストランの椅子をつけてベッドのようにし、「温かいコーヒーがあるので、行く場所がなければ来てください」とフェイスブックに書き込んだ。
すると、魔法のようなことが起こった。近くの住民が毛布や寝袋、肉、ハム、パン、ホットチョコレートを持ってきた。ある住民は、自家用車の装備を使って、雪の中に閉じ込められた車をアラバマホテルまで牽引した。そうして23日からクリスマスの朝までの48時間、100人を超える人々が「安息所」を訪れた。最初に来た人々はレストランの床を拭き、後に来た人々が休めるようにした。
ブラットさんはフェイスブックに、「オハイオ、メリーランド、カリフォルニアから来た見知らぬ人々約100人と子どもたちが一緒にいる。見知らぬ人々が助け合う光景はとても感動的だ」と伝えた。ある人はソーシャルメディアに、「映画にするといいクリスマスの奇跡の物語」と書いた。
4日間続いた爆弾ブリザードで少なくとも27人が死亡するなど、災難に見舞われたバッファローで、住民たちは困難にある隣人を助け、共に試練と闘っている。23日、停電で1歳の子どもの酸素呼吸器の電源が断たれると、子どもの母親はフェイスブックで助けを求めた。2日後の25日、近隣都市のナイアガラフォールズの人々が訪れ、手動呼吸器ポンプを手で押してしのいでいた母親と子どもを安全な親戚の家に連れて行った。ABCニュースは、「『善きサマリア人』が、車でその家の前まで行けないと、15分間雪の中を歩いて赤ちゃんを助けた」と報じた。
雪に閉じ込められた韓国人観光客10人を家に招待してベッドを提供し、共に韓国料理を作ったバッファローの歯科医師アレクサンダー・カンパーニャさん夫妻の話も伝えられた。26日、夫妻にインタビューしたNBC放送のアンカーは、「韓国料理を食べてサッカーを見るのがまさにクリスマスの喜び」と話した。
金玹秀 kimhs@donga.com