不動産規制を大量解除、ハードランディングを阻止する一方で投機の火種を警戒すべきだ
Posted January. 04, 2023 08:45,
Updated January. 04, 2023 08:45
不動産規制を大量解除、ハードランディングを阻止する一方で投機の火種を警戒すべきだ.
January. 04, 2023 08:45.
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政府は、ソウル江南(カンナム)3区と龍山区(ヨンサング)のみを残し、不動産規制地域を全て解除することにした。調整対象地域・投機過熱地区・投機地域などに指定されていたソウルおよび京畿道(キョンギド)4ヶ所の規制を一気に緩和する。こうなれば、税金や融資、分譲申込、転売制限などの規制が大幅に緩和され、住宅の売買が容易になる。分譲価格上限制も、江南3区などの投機地域のみを残して全て解除することにした。今回の措置は、取引絶壁や住宅価格の下落、売れ残のり増加など、不動産市場の低迷が金融不良に広がり実体経済まで揺るがす最悪の状況を防ぐための措置だ。政府は昨年、3度も不動産規制の緩和策を打ち出したが、ソウル地域は時期尚早という理由で手を付けなかった。政府が2ヵ月ぶりに既存の立場を変えたのは、それだけ不動産低迷の波が激しく押し寄せているという意味だ。景気が冷え込んでいる状況で、金利高の負担などが重なり、買収の勢いは消えて久しい。ソウルのマンション価格は、8週間連続で史上最大の下げ幅を更新しており、取引件数も昨年の10分の1の水準に止まっている。何よりも売れ残り住宅が急増し、不動産プロジェクトファイナンス(PF)が急速に不良化している。保険・証券・貯蓄銀行などのノンバンクの融資のみで110兆ウォンに迫り、ややもするとPF発金融危機に見舞われかねないという危機感も高まっている。今回の措置は、ややもすると投機勢力に「耐えれば結局、規制は緩和される」という誤ったシグナルを与えてはならない。下半期の金利上昇が止まるなど市場の雰囲気が反転すれば、再び住宅価格が揺れる可能性にも備えなければならない。政府は追加対策の可能性を予告したが、これまでより慎重なアプローチが必要だ。特に、住宅価格上昇の火付け役になりかねない江南3区に手を付けるのは、気をつけなければならない。昨年「借金の罠」にかかった20代30代の「魂まで集めて住宅を購入した」人のように、融資増加が家計負債不良につながらないよう、総負債元利金返済比率(DSR)等の重要な金融規制も維持しなければならない。今回の措置にもかかわらず、金利引き上げの基調は依然として残っており、住宅価格の下落傾向を防ぐことは難しいだろうという見方が説得力を得ている。直ちに成果が現れないからと言って、追加の刺激策を打ち出せば、市場の正常化後に襲われる嵐に耐え難い。実需要者は保護するものの、投機は厳しく処罰するというシグナルを市場に送らなければならない。今回の規制緩和で住宅価格が揺れるところはないか、徹底的にモニタリングしながら、副作用は正す忍耐力のあるアプローチが必要だ。
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政府は、ソウル江南(カンナム)3区と龍山区(ヨンサング)のみを残し、不動産規制地域を全て解除することにした。調整対象地域・投機過熱地区・投機地域などに指定されていたソウルおよび京畿道(キョンギド)4ヶ所の規制を一気に緩和する。こうなれば、税金や融資、分譲申込、転売制限などの規制が大幅に緩和され、住宅の売買が容易になる。分譲価格上限制も、江南3区などの投機地域のみを残して全て解除することにした。
今回の措置は、取引絶壁や住宅価格の下落、売れ残のり増加など、不動産市場の低迷が金融不良に広がり実体経済まで揺るがす最悪の状況を防ぐための措置だ。政府は昨年、3度も不動産規制の緩和策を打ち出したが、ソウル地域は時期尚早という理由で手を付けなかった。政府が2ヵ月ぶりに既存の立場を変えたのは、それだけ不動産低迷の波が激しく押し寄せているという意味だ。
景気が冷え込んでいる状況で、金利高の負担などが重なり、買収の勢いは消えて久しい。ソウルのマンション価格は、8週間連続で史上最大の下げ幅を更新しており、取引件数も昨年の10分の1の水準に止まっている。何よりも売れ残り住宅が急増し、不動産プロジェクトファイナンス(PF)が急速に不良化している。保険・証券・貯蓄銀行などのノンバンクの融資のみで110兆ウォンに迫り、ややもするとPF発金融危機に見舞われかねないという危機感も高まっている。
今回の措置は、ややもすると投機勢力に「耐えれば結局、規制は緩和される」という誤ったシグナルを与えてはならない。下半期の金利上昇が止まるなど市場の雰囲気が反転すれば、再び住宅価格が揺れる可能性にも備えなければならない。政府は追加対策の可能性を予告したが、これまでより慎重なアプローチが必要だ。特に、住宅価格上昇の火付け役になりかねない江南3区に手を付けるのは、気をつけなければならない。昨年「借金の罠」にかかった20代30代の「魂まで集めて住宅を購入した」人のように、融資増加が家計負債不良につながらないよう、総負債元利金返済比率(DSR)等の重要な金融規制も維持しなければならない。
今回の措置にもかかわらず、金利引き上げの基調は依然として残っており、住宅価格の下落傾向を防ぐことは難しいだろうという見方が説得力を得ている。直ちに成果が現れないからと言って、追加の刺激策を打ち出せば、市場の正常化後に襲われる嵐に耐え難い。実需要者は保護するものの、投機は厳しく処罰するというシグナルを市場に送らなければならない。今回の規制緩和で住宅価格が揺れるところはないか、徹底的にモニタリングしながら、副作用は正す忍耐力のあるアプローチが必要だ。
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