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自由な魂

Posted January. 06, 2023 08:51,   

Updated January. 06, 2023 08:51

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道士にも僧侶にもなりたくなく、商人や農夫になる考えもない。やりたくなかったり、できないことに飛び込んだりしないということだ。富への欲で世間にもまれ、意地を張ったり、不正もはばからないことは無駄なことにすぎない。無名の文士である詩人に残された道は一つ、科挙の試験だ。有能な人材に機会が与えられる唯一の社会的通路だ。しかし、当時の詩人は、苦しい状況にあった。神童と言われた彼が、故郷の蘇州での鄕試は通過したが、中央の会試に落ちた。試験の主催者とぐるになり、不正行為に加担したという疑いで監獄暮らしまでし、官吏の夢は水の泡となった。彼に残されたのは、独自の路線だ。詩書画の才能を活かしてフリーになる。山水画を描いて売るが、絵にしがみつかない。「世の中の手垢のついた金を稼ごうとは思わない」と宣言する。「ない」という否定をなんと5回も繰り返す。同じ文字の重複を避けるのが漢詩の定石だが、これを果敢に覆すことでフリーとしての決然たる自信を見せる。

本名より唐伯虎という字で知られた詩人は、詩書画で一時代を風靡し、「明四大家」の一人とされた。自ら「生涯、絵そして詩をつくり、花と柳の端に私の足跡を残した」(「感慨」)と告白したように、花柳界を渡り歩き風流を楽しんだ自由な魂だったが、晩年は不遇だった。