昨年12月7日のペドロ・カスティジョ前ペルー大統領の弾劾で触発された抗議デモが激しさを増している。デモ隊と警察の衝突で、9日(現地時間)に18人が死亡する最悪の流血事態が発生した。10日には警察官の焼死体が発見された。検察は集団虐殺などの容疑でディナ・ボルアルテ大統領を含む閣僚に対する捜査に着手した。
AFP通信などによると、9日、南部プーノ州のフリアカ空港付近では、空港に進入しようとするデモ隊約9千人とそれを阻止しようとする警察官が衝突し、10代1人を含め17人が死亡した。他の地域でも1人が死亡し、一日で死者が18人にのぼった。10日には、フリアカ付近で車の中で焼死した警察官が発見された。
有名観光地のチチカカ湖のほとりの町プーノには、先住民族アイマラ族が主に居住している。彼らは、初の農民出身大統領であるカスティジョ氏の核心支持層であり、弾劾に強く反発している。
デモ隊はボルアルテ氏の辞任、議会の解散、カスティジョ氏の釈放などを求めている。これに議会は、大統領選挙と総選挙を予定よりも2年繰り上げて2024年4月に実施する改憲案を可決したが、デモは収まっていない。デモが起こってから10日現在までに少なくとも46人が死亡した。
流血事態が激化すると、ベナビデス検事総長は10日、ボルアルテ氏、オタロラ首相、ロハス内相、チャベス国防相に対する予備捜査を命じた。彼らに集団虐殺、殺人などの容疑もかけた。
カスティジョ氏は21年7月に政権に就いた。新型コロナウイルスの感染拡大、慢性的な経済難で苦戦していた中、無理に議会解散を図り、汚職と無能を理由に議会で弾劾が決議された。
イ・チェワン記者 chaewani@donga.com