Go to contents

複合危機に直面したダボス会議の議題は「分断した世界での協力」

複合危機に直面したダボス会議の議題は「分断した世界での協力」

Posted January. 16, 2023 08:32,   

Updated January. 16, 2023 08:32

한국어

世界の要人が集まり、グローバルな課題の解決策を模索する世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)が、今日から5日間、スイス・ダボスで開幕する。新型コロナウイルスの感染拡大後、延期となったダボス会議が従来通り1月に対面形式で開催されるのは3年ぶり。韓国をはじめ130ヵ国の政財界、学界要人2700人が参加する今年の会議のテーマは「分断した世界での協力」だ。

今回の会議は、「ポストパンデミック」時代を迎える国際社会が前例のない地政学的、経済的危機に直面しているという問題意識の中で開かれる。ロシア-ウクライナ戦争、米中の覇権争いなどが触発した新冷戦で、世界が経験している陣営対立は日々激しくなっている。核戦争の可能性をはじめ安全保障の脅威が高まっている状況だ。強まる保護貿易主義の障壁の中、合従連衡と市場ブロック化、貧富の格差拡大など経済的難題も山積している。

新型コロナウイルスパンデミックの間に貧困層に転落した世界人口が1億2千万人に達するなど貧富の格差はさらに悪化した。景気後退の恐怖の中、戦略物資のサプライチェーン(供給網)の乱れやインフレなども解消されていない。欧州の異常高温現象で一部緩和されたものの、食料とエネルギー需給難は依然として不安だ。地域と分野を越えて絡み合った懸案は、一国だけでは解決できない。

グローバルな協力がこれまで以上に切実な時であるにもかかわらず、これを調整する世界秩序は無気力になっている。国連や世界貿易機関(WTO)のような主要な国際機関すら役割の限界を露呈した。強まる自国優先主義が、同盟、パートナー国家の軋轢をもたらしているのが冷厳な現実だ。「過去30年間成長を牽引してきた世界化は終わった」という言葉まで出ている。ダボス会議が、両極化時代の分断を越えて多極化時代の「破片化した分断」の問題に注目したのもこのためだろう。

世界の主要国は、ダボス会議を機に、現在の複合危機に対応する抜本的かつ実効的な協力を模索しなければならない。韓国も例外ではない。高まる国力と地位を土台に「グローバル中枢国家」に跳躍するというのが韓国が対内外にした約束だ。国際秩序が揺れ動く厳しい時だ。より広い観点で韓国の対外的役割を考える必要がある。目の前の懸案はもとより、デジタル貿易のルール、気候変動などの長期課題にも声を上げることが結果的に国益につながる。