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遠隔診療・共有経済「葛藤規制」解決してこそ成長エンジンが活性化する

遠隔診療・共有経済「葛藤規制」解決してこそ成長エンジンが活性化する

Posted January. 18, 2023 08:20,   

Updated January. 18, 2023 08:20

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世界105ヵ国の企業最高経営責任者(CEO)4410人のうち73%が、「今後1年間、世界経済は下り坂」と見通した。回答者の5人に2人は、「会社を完全に変えなければ、10年後の生存は保証できない」と感じるほど切迫した危機意識を持っていることが調査された。世界的な経営コンサルティング会社プライスウォーターハウスクーパーズ(PwC)が、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に参加するCEOらを対象に調査し、会議の開幕に合わせて発表した。PwCが2011年にこの調査を開始して以来、最も悲観的な見通しだ。

韓国企業の経営見通しも良くない。韓国開発研究院(KDI)は16日、今年上半期(1~6月)の韓国の経済成長率が0%台まで下がると予測した。最大輸出市場である中国の成長率の低下、ウクライナ戦争、インフレや高金利などによる複合危機のため、韓国企業が生き残るには変化と革新以外に道はない。このため、国内経済5団体トップが今年1年の経済運用について政府に要求したのが「規制緩和」だ。

専門家らは、クモの巣のように絡み合っている規制の中でも、最も緊急に改善すべきものとして「葛藤規制」を挙げる。大韓商工会議所が、専門家50人に今年の規制改善の優先順位を調査した結果、26%が「葛藤規制」を挙げた。遠隔診療や共有経済のように既存の産業と新産業の利害関係が先鋭的に衝突する分野は規制革新が容易ではないため、優先的に推進しなければならないということだ。

海外では活性化しているカーシェアリングが、韓国では「タダ禁止法」などのために定着していない。エアビーアンドビーのような民泊サービスも韓国では内国人を対象にすれば違法だ。一部のスタートアップが、「規制のサンドボックス」を通じて内国人向けの民泊サービスを提供しているが、条件が厳しく、事業の拡大が容易でない。

スマートフォンなどで診療を受ける遠隔診療は、先進国だけでなく中国、インドネシアでも普及しているが、最高水準の医療陣とIT技術力を備えた韓国は例外だ。コロナ禍を機に非対面診療が一時的に許可されたものの、遠隔診療、医薬品の配送などは依然として違法だ。患者がアプリで望む医薬品を選んで医師の処方を遠隔で受ける非対面診療プラットフォームは、医師・薬剤師団体の反発で行き詰り、1ヵ月でサービスが中断した。

デジタル革新とプラットフォームの生態系の拡散で、新旧産業間の葛藤は今後さらに増えるほかない。様々な利害関係者の対立を調整・仲裁して革新産業の突破口を開くことが政府と政界の役割だ。政府が先制的に新産業への進入障壁を壊し、伝統事業とウィンウィンできる葛藤解決モデルを模索して企業の革新を支援しなければならない。葛藤規制を解くことができなければ、革新も成長も成し遂げられない。