米政府の債務が上限に到達しデフォルト回避の特別措置

米連邦政府の負債が１９日（現地時間）、議会が定めた上限に達すると、バイデン米政権は債務不履行（デフォルト）を避けるための「特別措置」に入ることを明らかにした。上限の引き上げをめぐって対峙しているバイデン政権と野党共和党が合意に至らなければ、６月初めにデフォルトに陥ることは避けられないとみられている。

イエレン財務長官は同日、議会に送った書簡で、「財務省は今日から特別措置を実施する」とし、「米国の信用を守るために議会に対し速やかな行動を求める」と要請した。

財務省は特別措置で、公的年金基金の追加投資を６月５日まで停止する。しかし、議会が上限引き上げに対応しない場合、早ければ６月初めにも連邦政府の負債が上限を超え、デフォルト危機が現実になるものとみられる。デフォルトになると、公的年金の支給が停止し、軍人や連邦公務員の給与が停止または削減され、利息の支払いも延期される。

金融市場では、米国がデフォルトに陥る場合、失業率が高まり、破産者が続出して経済成長率が５％下落する可能性があるという分析が出ている。米紙ワシントン・ポストは同日、２０２１年にムーディーズ・アナリティクスの推算を引用して、「デフォルト時、６００万の雇用が消え、全面的な景気低迷に陥る可能性がある」と伝えた。また、世界的な景気低迷と世界金融市場の大混乱につながる恐れがある。

共和党は、バイデン政権が社会福祉支出を減らさなければ、上限の引き上げに合意しない構えだ。共和党所属のジェイソン・スミス下院歳入委員長は声明で、「国民は莫大な財政赤字を出す現状が持続不可能であることを知っている」とし、「共和党と協力しなければ、バイデン大統領は米国の負債危機を計画することになるだろう」と述べた。

ホワイトハウスのアンドリュー・ベイツ報道官は、「デフォルトは米国を経済的崩壊という混乱と禍に陥れ、中国のようなライバルを助けること」と共和党を批判した。

同紙は、バイデン氏が、「米国の債権有効性に疑いの余地があってはならない」という憲法規定を引用し、議会の合意なく国債発行を指示する案を一部の専門家が提示したと伝えた。ただし同紙は、「このような措置は法的挑戦に直面するだろう」と指摘した。


ワシントン＝ムン・ビョンギ特派員 weappon@donga.com