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諜報戦と国家の運命

Posted February. 21, 2023 08:42,   

Updated February. 21, 2023 08:42

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孫子の兵法第13「用間篇」は、スパイ運用法、さらには諜報戦の方法を扱っている。兵書にスパイ活用法は少し似合わないと思われるが、戦争史を見てもスパイを運用せずに名将になることはない。スパイを運用した記録が見当たらない名将もいるが、それはスパイを運用していないからではなく、うまく使って全く露出させなかったケースである可能性が高い。

ラムセス2世は、カデシュの戦いで偽の投降兵の情報に騙され、敗北しそうになった。小国ギリシャがペルシャ帝国を破ったマラトンの戦いとサラミス海戦でも、ギリシャのスパイが決定的な役割を果たした。ナポレオンは同時代のどのライバルよりも諜報戦の名手だった。

諜報戦の鍵は諜報を得ることではなく、正確に分析して真実を探ることにある。ノルマンディー上陸を準備し、連合軍は上陸予想地点として様々な地点の逆情報を流した。この時、重大な間違いをするところだったが、ノルマンディーという諜報は徹底的に取り締まった。これこそ、ドイツ情報部に本当の手がかりになることができた。連合軍は、正体を知っていたが、わざと知らないふりをしていたドイツのスパイにノルマンディーという情報を流した。ドイツも、そのスパイは正体がバレたことを知っていて、英国が流す逆情報を把握するために知らないふりをしていた。彼を通じて上陸地点がノルマンディーという諜報が入ると、ドイツ情報部はこれを偽と判断し、ノルマンディーを除外した。しかし、これが連合軍の本当の狙いだった。連合軍は、スパイの正体を英国が気づいているということをドイツが知っていることまで分かっていたのだ。

諜報戦は諜報の収集、分析と事実の判断、偽という3つの軸で構成される。このうちどれか一つでも不備があれば諜報戦に勝利することはできず、一瞬にして国家の運命が変わり得る。そのため、情報組織は専門的であり、政治とは無関係に保護されなければならない。実際、どの国でも情報組織と政治を分けることが最も難しいが、それでもしなければならず、最大限の線を守らなければならない。