「もっと近くなることが怖くて、男の友達と距離を置き始めた時期が私にもありました。とても寂しかったです。この孤独を映画という言語で表現したかった」(映画『CLOSE/クロース』のルーカス・ドン監督)
長年の友である2人の少年がいる。毎日同じベッドで寝るほど近く、目を見ているだけで笑いがこぼれる。会えなければ会いたく、すべてを一緒にしたい。少年たちの心にはまだ「名札」はないが、彼らを見る同年代の中学生たちの視線は冷たい。2人の少年を「ホモ」、「女」とからかう。少年たちは混乱し、互いに距離を置きながら、それぞれ孤独の中に沈んでいく。2人の少年の混乱と孤独、成長を描いた映画「CLOSE/クロース」が3日に公開された。この映画は昨年、第75回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した。
映画は、13歳の少年レオ(エデン・ダンブリン)とレミ(グスタフ・ドゥ・ワエル)がベッドに横たわっているシーンで始まる。互いを見つめる眼差しには、友情と愛がこもっている。
2人の関係は、中学に進学すると揺らぎ始める。「男同士で付き合っているのか」とからかわれ、レオはアイスホッケーを学ぶことで男らしくなろうとし、レミを突き放す。レミは変わってしまったレオを見て苦悩し、取り返しのつかない選択をする。映画は2人の少年が経験する感情の嵐と罪悪感、そして2人を孤独に追いやった社会の視線を繊細に描いている。ベルギーの田舎のダリアの花畑の中を走る2人の少年、真っ赤な壁紙が貼られたレミの部屋に差し込む光など、美しい演出が目を引く。
ベルギー出身のルーカス・ドン監督(32・写真)は最近、国際映画界で注目されている。彼はデビュー作「Girl/ガール」(2018年)で、第71回カンヌ国際映画祭のカメラドール(新人監督賞)、クィア・パルム賞を獲得し、彗星のように登場した。「CLOSE/クロース」は2作目。性的マイノリティであるドン監督は、「私自身も怖くて突き放した友人が何人かいる。私は自分自身だけでなく彼らが感じたはずの愛も奪った」とし、「映画は彼らに捧げる詩だ」と語った。
崔智善 aurinko@donga.com