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尹大統領就任1年、国政と人事を刷新し3大改革にエンジンを

尹大統領就任1年、国政と人事を刷新し3大改革にエンジンを

Posted May. 09, 2023 08:35,   

Updated May. 09, 2023 08:35

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9日で尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が発足して1年になる。検事出身で十分な政治経験なく当選した尹氏は、期待と懸念を一身に受けて就任した。大統領選挙で49%の支持を受けた尹氏の国政遂行に対する肯定的な評価は、1年が経っても30%台から抜け出せずにいる。尹政権の国政運営がまだ国民の期待に及んでいない証拠だ。

尹政権は、前政権が崩壊させた公正と常識を復活させると国民に約束して発足した。就任演説で民主主義危機の原因として反知性主義を指摘し、「自由」の価値を前面に掲げた。この1年間、尹政権がそれにふさわしい国政運営をしてきたか冷静に振り返る時だ。

公正と常識、民主主義回復の試金石は内閣改造を含む人事だったが、結果は満足のいくものではなかった。長官候補者の相次ぐ辞退で「人事惨事」という批判を招いた。大統領室と各省庁の要職には検察出身者が全面的に配置され、「検察共和国」という指摘も受けた。尹氏は人事の失敗を指摘されるたびに「前政権と比較してみろ」と言った。前政権の過ちが現政権の過ちをすべて正当化する言い訳になることはないだろう。誤った慣習や政策なら、他人のせいにするのではなく果敢に正すことが、尹氏が力説した公正と常識のリーダーシップに合致するだろう。

尹氏は昨年、年金・労働・教育の3大改革は人気がなくても必ず成し遂げるとの考えを示した。3大改革課題は切迫した時代的要請を反映したものとみられるが、履行は遅々として進まない。年金改革の第一歩を踏み出した国会レベルの議論は空振りに終わり、政府は10月までに国民年金総合運用計画を提出すると言ったが、見てみるほかない。労働改革は、建設現場の労働組合の違法行為への厳罰、労働組合会計の公開要求などでひとまずスタートを切ったが、労働時間の柔軟化などの制度改革は「週65時間」の枠から出られず、身動きできない状態だ。教育改革は一歩も踏み出せずにいる。

3大改革は、未来世代のための決意という大統領の一言で終わるものではない。職域別・世代別の尖鋭的な利害関係を調整しなければならない敏感で骨の折れる課題だ。国民と利害関係者の同意なしには一歩も前に進めない構造だ。だからこそ、尹政権は改革課題に対する国民の共感を広げ、利害関係者の同意を得るための積極的な努力が必要だ。

政権2年目を控えた経済環境は依然として厳しい。米中覇権競争が続く中、ウクライナ戦争が引き起こしたインフレで庶民の生活は苦しい。半導体の対中国輸出の低迷で貿易赤字が14ヵ月間続き、1%台の経済成長率すら揺らいでいる。来年の国会議員総選挙を控え、与野党間の強硬対立が激化すれば、経済回復の足かせになりかねない。

このような状況で、尹政権は国政を担うという初心に戻り、これまでの国政運営スタイルを全面的に刷新しなければならない。就任1年を迎えて準備している内閣改造を通じて、国民に希望を与える人事刷新も行うべきだ。国民はもとより野党に対しても理解を求める意思疎通と協力にさらに力を入れる必要がある。政治の停滞した3大改革のエンジンをかけるには、国政・人事刷新の手綱を強めなければならない。