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おんぶする人

Posted May. 13, 2023 08:25,   

Updated May. 15, 2023 08:29

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この詩に登場する職業には名前がない。農夫や漁師のように「夫」の字で終わる名前でもなく、医師や検事のように「し」や「じ」の字で終わる名前でもない。詩人は人をおんぶして川を渡すことを「職業」と表現するが、なかなか信じられない。そんなことを業にした人だなんて。お金を望んですることでもないなんて。20年経歴の会社員の立場からは想像できないことだ。

ところが、会社員の目を閉じて詩の目を開けると考えが変わる。ずっとおんぶだけをしようとする人は、それでおんぶが最初から仕事になった人はいなくはない。そんな人は今日もいるし、昨日もいた。いつもいてずっといた。幼い私を大事に育ててくれた両親が、私の「おんぶしてくれる人」だ。病気の私を世話する家族が、私の「おんぶしてくれる人」だ。そしておんぶされた私が他人の「おんぶしてくれる人」になったりもする。「おんぶしてくれる人」の存在は、世界で最もありがたいことの一つだ。

私をおんぶしてくれたその背中を探して、「ありがとう」と言う月が5月だ。子供がカーネーションの折り紙をするのも「背中」のためであり、大人がさらに大人に電話をかけるのも、「背中」のためだ。もしかしたら、私たちの人生を豊かに過ごしたい気持ちまでも、「背中」のためかもしれない。よくおんぶしてくれた人のおかげで、私もよくおんぶしてくれる人になりたくて。