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ピアニストのイム・ユンチャンがニューヨークフィルデビュー

ピアニストのイム・ユンチャンがニューヨークフィルデビュー

Posted May. 16, 2023 08:10,   

Updated May. 16, 2023 08:10

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ピアニストのイム・ユンチャン(19)が、最後の音を鳴らす鍵盤から手を離すやいなや、2200人余りの観客が総立ちになって熱狂的な拍手をし始めた。ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団の指揮者ジェームズ・ギャピガンは、イム・ユンチャンと力強く抱擁し、互いの感動を交わした。一部の観客は、感情がこみ上げるように涙を拭いた。

12日(現地時間)、米ニューヨーク・リンカーンセンターのデイヴィッド・ゲフィン・ホールで閉幕したイム・ユンチャンの初のニューヨークデビュー舞台は、間違いなく成功的だった。昨年6月、ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールでの最年少優勝で名を馳せたイム・ユンチャンは、同日、ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団との初共演で、優勝曲のラフマニノフピアノ協奏曲3番を演奏した。彼に対する世界的関心を証明するかのように、10日から12日までの3回公演は早くから全席売り切れとなり、公演当日の立ち見席の「スタンディングチケット」でも得ようと朝から列が並ぶほどだった。

特に最後の公演である同日、イム・ユンチャンは、観客の絶え間ないスタンディングオベーションにアンコール曲を3曲も披露した。それでも観客が離れられないと、困っている姿が捉えられるほどだった。指揮者ギャピガンは、自分のソーシャルメディアに、「黄金のようなテクニック、深い魂の音楽性に、とても良い性格まで備えている」と絶賛し、「このような意味深い瞬間に一緒で光栄だった」と明らかにした。70代の聴衆は、「3日間ずっと見に来た」とし、「このような天才的な演奏を聞く機会自体が珍しい」と感激した。

特に、コンクールではラフマニノフが初演時に弾いた「オリジナル」カデンツァ(協奏曲の中で演奏者のソロ部分)を演奏したとすれば、今回のニューヨークフィルハーモニーとの共演では、もう少し雄大な別バージョンの「オシア」カデンツァを演奏して観客を驚かせた。公演前にイム・ユンチャンのインタビューを、「アートセクション」の1面に載せたニューヨークタイムズ(NYT)は、公演後も「10代のピアノスター、イム・ユンチャンがニューヨークに来たる」というタイトルのトップ記事で、「この曲がこんなに面白い曲だったのか。イムの演奏は、文字通り夢のような演奏だった」と絶賛した。NYTによると、今回の共演は、ニューヨークフィルのデボラ・ボルダ最高経営者(CEO)が、イム・ユンチャンのコンクール公演の映像を見て直接推進した。

師匠のソン・ミンス教授について、ボストンにあるニューイングランド音楽院に編入するイム・ユンチャンは、来年2月、ニューヨークのカーネギーホールでショパンで埋め尽くされたデビュー舞台に立つ予定だ。


金玹秀 kimhs@donga.com