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「学校は信用できない」 興信所を訪れる校内暴力被害者

「学校は信用できない」 興信所を訪れる校内暴力被害者

Posted May. 29, 2023 08:40,   

Updated May. 29, 2023 08:40

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「うちの子は眠れないし、ご飯もなかなか食べられません。興信所に校内暴力の証拠収集を依頼したほどです」

京畿道金浦市(キョンギド・キムポシ)に住む小学校高学年の保護者A氏は28日、東亜(トンア)日報との電話インタビューで、このように話した。A氏は今年3月、興信所に子供の校内暴力被害関連証拠の収集を依頼した。昨年12月、A氏の子供に暴行を加え、言語暴力を加えて4号処分(社会奉仕)を受けた加害者側が、突然「うちの子も、A氏の子供に暴行を受けた」と対抗したためだ。

A氏は、加害者側の主張に反論するため、学校に保健室の資料を見せてほしいと要請した。だが、学校側は、「個人資料なので見せることはできない」と話した。結局、A氏は、インターネット検索で知り合った興信所に校内暴力の証拠収集を依頼したが、興信所側は3日間証拠収集をする費用として100万ウォンを請求した。

●興信所職員「お金を払えば加害者への恫喝も可能」

学校側が校内暴力問題の解決に消極的に対応するとし、興信所や探偵会社などの扉を叩く保護者が増えている。

ソウル陽川区(ヤンチョング)に住む中学生の保護者B氏は、昨年11月、便利屋を通じて2週間、子供の登下校時にボディーガードをつけた。B氏の子供を苦しめて4号処分を受けた加害生徒が、「特別目的高校に行かなければならないのに、あなたのせいで失敗した。殺してやる」と脅迫したためだ。B氏は、「最初は2週間休暇を取って、直接子供について回ったが、以後はボディーガードを付けた」とし、「子供の安全のために仕方なかった」と話した。

実際、インターネットサイトに「校内暴力興信所」を検索すると、「100%秘密保障」「後払い制」「上位1%興信所」等の文句を掲げた業者等が出てきた。直接10ヵ所あまりに問い合わせたところ、校内暴力の証拠収集だけでなく、登下校サービスや加害生徒の情報収集なども可能だという。ある業者は「費用さえ十分にもらえれば、加害生徒に対する脅しもできると話した。費用は週250万~500万ウォンで千差万別だった。ある会社の関係者は、「社会的距離確保の解除以来、対面授業が再開され、校内暴力関連の問い合わせが40%ほど増えた」と話した。

●「違法な証拠収集は無用の長物」

このように校内暴力の被害生徒と保護者が私設業者を利用するのは、学校や警察などを通じては、校内暴力の問題がきちんと解決されないという認識のためだ。

教育部と韓国教育開発院の調査によれば、昨年「校内暴力に遭ったことがある」と答えた生徒数は約5万4000人で、2年前の約2万7000人に比べて2倍近く増えた。特に言語暴力や金品恐喝、性暴行などを受けたと明らかにした校内暴力の被害者3人に1人は、「問題は解決されなかった」と答えたことが分かった。現在、子供が校内暴力の被害に遭い、校内暴力審議委員会が行われているという保護者は、「学校では、『片方の肩を持つように見える』という理由で、校内暴力問題の解決に消極的だ」とし、「保護者たちが私設業者に頼むほどだ」と話した。

しかし、校内暴力の解決のために私設業者を利用することは、違法の余地がある。ソウル南部教育支援庁のシム・チャンボ弁護士は、「校内暴力の加害者と言っても、該当生徒を尾行したり個人情報を収集することは、個人情報保護法違反などと見なされる可能性が高い」とし、「明確な証拠を確保したとしても、裁判所や捜査機関で違法行為で収集したと判断すれば、証拠として採用しないこともありうる」と指摘した。

法務法人「テゴン」のイ・ジホン弁護士は、「私設業者の職員が加害生徒を訪ねて、『親しく過ごせ』、『いじめないで』と話すこと自体が、脅迫罪や強要罪に該当する恐れがある」とし、「むしろ私設業者を通じて解決しようとして、被害生徒が不利な立場に置かれることもありうる」と話した。


ソ・ソルヒ記者 facthee@donga.com