Go to contents

北朝鮮が衛星を装った「ICBMショー」予告、監視・迎撃態勢に万全を期さなければ

北朝鮮が衛星を装った「ICBMショー」予告、監視・迎撃態勢に万全を期さなければ

Posted May. 30, 2023 08:29,   

Updated May. 30, 2023 08:29

한국어

北朝鮮が今月31日午前0時から来月11日午前0時の間に人工衛星を発射すると日本政府に通報した。先月「軍事偵察衛星1号機」の完成発表に続き、今月16日に金正恩(キム・ジョンウン)総書記が「今後の行動計画」を承認してから約10日が経った。日本メディアは、残骸の落下が予想される海域は西海(ソへ・黄海)上の2ヵ所とフィリピンの東側の太平洋上の1ヵ所だと伝えた。韓国政府は北朝鮮に打ち上げ計画の即時撤回を求め、「打ち上げを強行すれば、相応の代償と苦痛を受けなければならないだろう」と警告した。

北朝鮮の衛星打ち上げは、国連の対北朝鮮制裁決議に真っ向から反する違法行為であり、大陸間弾道ミサイル(ICBM)能力を誇示しようとするさらなる挑発行為にすぎない。北朝鮮は国際海事機関(IMO)が運営する全世界航行警報業務(WWNWS)上、この地域の航行区域調整国である日本側に発射計画を通報し、合法的な宇宙開発の権利であることを主張したが、北朝鮮はその資格を失って久しい。人工衛星を発射するために使用するロケットは長距離弾道ミサイルと技術的に同じであり、国連安全保障理事会はその用途に関係なく、弾道ミサイル技術を活用したいかなる発射も禁止している。

北朝鮮はこれまで4度にわたり人工衛星の打ち上げを通報した後、発射体を打ち上げた。今回の打ち上げは、2016年2月の「光明星4号」衛星打ち上げ以来7年ぶり。北朝鮮は17日、「軍事偵察衛星1号機」の実物も公開したが、専門家らはその撮影解像度は軍事衛星の機能を遂行するだけの性能に及ばないと判断している。粗悪なレベルの衛星を太陽同期軌道に乗せるという名目で、これまで東に向かって高角で発射していたICBMを真南の太平洋に発射し、地域情勢の不安と緊張を誘発する「恐怖のショー」を演出しようとしているのだ。

政府は、北朝鮮の衛星打ち上げが引き起こす可能性のあるすべての状況に徹底して備えなければならない。何よりも、北朝鮮の発射体が西海を横断するため、船舶の安全運航に支障がないよう国民の安全を守る措置に万全を期さなければならない。また、北朝鮮が打ち上げを実行する場合、必ずその代償を払わせる外交的総力戦が急務だ。国際社会の連帯と圧迫戦線を構築し、今回だけは中国とロシアが北朝鮮を庇護できないようにする必要がある。

さらに、韓米同盟と韓米日協力を通じて徹底した監視追跡に取り組むとともに、発射体の残骸が韓国領土に落下する可能性にも備えて迎撃態勢を整備しなければならない。日本はすでに沖縄県の3つの島にパトリオット(PAC-3)迎撃システムを配備し、発射体の落下に備えて「破壊措置命令」も出した。揺るぎない準備態勢こそ、国民を安心させ、北朝鮮の衝動を抑える最も効果的な武器だ。