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戦争で簡単に勝つ方法

Posted May. 30, 2023 08:29,   

Updated May. 30, 2023 08:29

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孫子は、「戦わずに味方と敵の軍隊を保存しながら勝利するのが最高の勝利だ」と話した。この言葉には誰もが同意する。しかし、実践方法が容易ではない。中国古代の兵書「六韜」は周の文王と太公望が交わした会話を記録した本だ。本書に武力を使わず謀略で敵を征服する方法に関する議議がある。

太公望はなんと12の案を提示する。方法が12種類もあるということは決定的な方法がなく難しいという意味にもなる。国とは多様な利害関係と葛藤という基盤で生まれた社会的な生き物だ。その中には、常に葛藤という要素を孕んでいると言わざるを得ない。戦争は共通の敵を示すことでこの葛藤を一時的に解消する機能を果たしているように見えるが、戦争が長引き苦痛が大きくなれば、内部で亀裂が発生してしまう。相手国の立場では、戦う前に何とか相手国の内部亀裂を助長し、拡大させておくほど有利だ。太公望が12の案を提示した背景だ。

そのうち5番目の方策が、敵国の忠臣を優遇することで君主に疑わせ、能力や忠誠心の劣る者を要職に登用させるようにという。実際、史記を見ると春秋戦国時代にこのような方法は多く使われ、時には決定的な勝利を収める契機になった。このような方法が通用する理由は簡単だ。周辺国との緊張関係が続けば、人々は感情的になる。敵国に対する憎悪だけがむき出しになり、排他的な政策を主張する者が愛国者とみられ、融和や交流を主張する者は売国奴と見られる。

その瞬間、国の政策の柔軟性や情報力、成長力が硬直してしまう。すべての兵書で指摘する戦術の原則が敵の隙間に入り込んで、敵の弱点を探し、敵の長所を学び、我々の対応方式は隠し、いかなる状況でも効率的に対処できる柔軟性を備えることだ。船は水に浮いて流れに沿って流れていくが、石は沈む。国が感情的な愛国心という殻で硬化してしまえば、内部は騒然となり、すべての能力は沈む。しかし、固い殻に閉じ込められた人々はそれに気づかない。丙子胡乱(1936年に起きた清の第2回朝鮮侵略)の歴史を見ると、殻が割れて敵軍が押し寄せてきても気が付かない。