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伝貰契約の47%が逆伝貰、下半期はなおさら危険

伝貰契約の47%が逆伝貰、下半期はなおさら危険

Posted June. 03, 2023 08:31,   

Updated June. 03, 2023 08:31

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伝貰(チョンセ・賃貸保証金)詐欺の被害が大きくなり、借家人を支援する法まで可決されたが、伝貰価格の下落にともなう「逆伝貰難」はこれからが始まりに過ぎないという分析が出ている。今年に入ってから交わされたマンションの伝貰契約の半分近くは、家主が借家人に伝貰金の下落分を払わなければならない取引だった。伝貰価格が暴落した地方マンションや新築ビラ(集合住宅)は事情がさらに深刻だ。

今年1~4月と2年前の同じ期間になされた全国マンションの伝貰契約を、東亜(トンア)日報の取材チームが比較分析したところ、47%は2年前より伝貰保証金が下落したことが分かった。このため、家主が借家人に下落分として支払った伝貰金は計2兆5000億ウォン、1軒当たり平均8400万ウォンの割合だ。融資でも受けられると幸いだが、家主がお金を用意できず引越しもできず足止めされた借家人が増えている。

地方のマンションは事情がさらに悪い。大邱(テグ)と世宗市(セジョンシ)のマンションの82%と67%は、伝貰価格が2年前より下落した。詐欺被害が集中して伝貰価格が暴落した新築ビラも、状況が深刻だ。今年下半期に伝貰期間が終わる全国の新築ビラ10軒のうち8軒は、住宅価格に比べて伝貰価格が高すぎて、住宅都市保証公社(HUG)の伝貰金返還保証にも加入できない見通しだ。

さらに、今年8月からは伝貰保証金の返還を巡り、家主と借家人が対立する「逆伝貰の津波」が押し寄せる可能性が高い。2020年7月の賃貸借法の改正後、高騰した価格で交わした伝貰契約の満期が本格的に戻ってくるためだ。韓国銀行は4月現在、全国の逆伝貰の危険世帯数を102万6000軒と試算したが、このうち、今年下半期に29万軒、来年上半期には31万6000軒の契約期間が終わる。家主が払わなければならない伝貰保証金の下落分だけでも、数十兆ウォンに達する見通しだ。伝貰保証金を適時に帰してもらえない借家人が家を競売にかけられる家主が急増出ざるを得ない。

庶民経済の破綻と賃貸借市場の混乱を防ぐためには、家主が伝貰保証金の下落分を返せるよう融資を拡大するしかない。伝貰金の返還目的が明らかな場合、総負債元利金返済比率(DSR)、住宅担保認定比率(LTV)の規制も緩和する必要がある。その一方で、辛うじて安定傾向を取り戻した家計融資が再び急増したり、金融会社の不良が大きくなることがないよう、金融当局の緻密な監督が伴わなければならない。