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半地下浸水対策から1年、「脱出」住民は1%のみ

半地下浸水対策から1年、「脱出」住民は1%のみ

Posted June. 10, 2023 08:47,   

Updated June. 10, 2023 08:47

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昨年8月の豪雨でソウル冠岳区(クァンアクグ)・銅雀区(トンジャクグ)一帯の半地下住宅の住民4人が死亡後、政府と地方自治体は様々な対策を打ち出したが、実際に半地下を脱出した住民は極めて少ないことが確認された。今夏、記録的な高温と洪水が予告されている状況で、半地下住民の被害が再発しかねないという懸念が出ている。

9日、東亜(トンア)日報の取材を総合すると、家賃支援や公共賃貸住宅への移住など、国土交通部とソウル市の「住居質上向」政策を通じて半地下から抜け出した住民は約2300世帯に過ぎないことが分かった。ソウル市内の半地下住宅(約21万人)の1.1%に過ぎない数値だ。ソウル市は大雨惨事の直後、「半地下をなくす」と宣言するなど様々な対策を打ち出したが、まだほとんどの半地下住民が昨年と似たような環境に居住している可能性が高い。

代表的に国土交通部とソウル市の「公共・民間賃貸住宅移住の優先権付与および保証金の無利息融資」政策の恩恵を受け、半地下から賃貸住宅に移住した住民は、昨年末基準で1300世帯に止まった。韓国都市研究所のチェ・ウンヨン所長は、「物量が多くなく、数千万ウォンの賃貸住宅の保証金もやはり住民の立場では負担になる費用だ」と話した。

ソウル市の「地上階への移住時は家賃20万ウォン支援」は、970件のみ行われた。昨年8月、大雨の被害が大きかった銅雀区は312人、冠岳区は129人に過ぎなかった。ソウル市の関係者は、「受取人が家賃を受け取る度に累積集計された数値なので、実際に支援を受けた世帯はさらに少ないだろう」と話した。

ソウル住宅公社(SH)や韓国土地住宅公社(LH)などを通じて、多世帯住宅(集合住宅)を買い入れ倉庫に転換する方式で半地下住宅を漸進的に減らそうとする政策もなかなか進んでいない。先月までSHが買い入れた半地下住宅は98戸で、今年の目標値(3450戸)を大きく下回るのが現状だ。LHは1件も購入できなかった。

まだ半地下から抜け出せずにいる住民が大半の状況で、昨年のような豪雨と浸水被害が再現しかねないという懸念が出ている。世界気象機関(WMO)は今夏、赤道付近の東太平洋海面の高温現象を意味するエルニーニョが発達し、記録的な高温と洪水を記録するだろうと予想している。先月、気象庁が発表した「3カ月間の気象予測」によると、7月の降水量は平年(245.9~308.2ミリ)とほぼ同じか多い確率が80%だった。8月には平年(225.3~346.7ミリ)とほぼ同じか、多い確率が80%にまで上がる。


イ・サンファン記者 ソ・ソルヒ記者 payback@donga.com · facthee@donga.com