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悪化の一途をたどる韓中関係、「堂々とした」対応で勝敗ではなく損得の外交を

悪化の一途をたどる韓中関係、「堂々とした」対応で勝敗ではなく損得の外交を

Posted June. 13, 2023 08:27,   

Updated June. 13, 2023 08:27

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邢海明・駐韓中国大使の無礼な発言を巡り韓中間の外交葛藤が深まっている中、韓国政府は「堂々とした外交」基調を強める方針を明らかにした。政府高官は昨日、「中国の高圧的な言動を、もはや座視しない」とし、「(対中国政策が)国民の自尊心を傷つけない方向でより鮮明になるだろう」と述べた。首脳会談を含めた韓中間の高官級交流の推進についても、「持続的に提案していくけど、急ぐつもりはない。時間は我々の味方だ」と話した。

韓中葛藤はもはや両国政府間のにらみ合いや自尊心の争いへと突き進んでいる様相を呈している。韓国外交部が邢大使を呼びつけて外交官の身分を忘れた内政干渉的な言動に対して厳重に警告すると、中国外務省も韓国の鄭在浩(チョン・ジェホ)駐中大使を呼んで対抗した。葛藤の根本的な原因が中国側の傲慢で高圧的な行動にあるにもかかわらず、韓国を見下して緊張を保ち続けるという態度をだった。しばらく穏やかだった中国流の力の外交である「戦狼外交」の本性を韓国に向けて再び表わしたものと言える。

このような中国に対して政府が「堂々とした外交」を強調したのは当然のことで避けられないものだろう。中国は北朝鮮の核抑止のためのTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)配備に対して数々の稚拙な報復措置を動員したし、その後、文在寅(ムン・ジェイン)政権との外交的な折り合いの後も「限韓令」(韓流規制)を維持して韓国に手なずけようとした。このような常識外れの外交パターンが変わらない状況下で、相互尊重の韓中関係は期待し難い。この際、中国の傲慢な勢いをくじく原則的な対応が求められる所以だ。

しかし、このような自尊心を掲げた外交が、高まった国内の反中感情に便乗した強硬論一辺倒に流れると、逆風や副作用を生む恐れがあることも警戒しなければならない。特に、このような強硬論が対中外交をめぐる与野党間の政争の延長戦の様相を呈していることは憂慮すべきところだ。文在寅政権も「周辺4国との堂々とした協力外交」を掲げたが、日本にだけ堂々とした姿勢を取り、北朝鮮や中国には振り回される姿を見せた。前政権とは全く違う道が、また新たな政争と失敗を予告する道になってはならない。

外交政策が国内政治と全く無関係とは言えない。国民の目線は対外戦略樹立の重要な基準の一つになるだろう。だからといって、政治と世論に外交が振り回されてはならない。堂々とした態度に劣らず重要なのは、冷静な損得計算に基づいた精巧な戦略、ひいては国民の怒りの裏にある不安感を減らすリスク管理能力だ。外交は損得を問うものであって勝敗を問うものではない。韓中が冷静に緊張の水位を下げ、真剣に解決策を模索する真の外交をするべき時期が来た。